IPA 中堅企業のDX推進課題解決へ 「専門人材確保と組織的対応が鍵」
2025.1.10
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2024年11月20日、中堅企業*1 におけるDXの特徴を整理し、企業成長を支えるDX取組や推進体制のあり方を考察した「DX動向2024 - 中堅企業のDXの取組についての考察」を公表した。
報告では、中堅企業のDXへの取組割合は増加傾向にあるが、新規製品・サービスの創出、ビジネスモデルの変革は依然として不十分であり、その背景には企業文化の硬直、経営者の成長意欲の不足、従業員の余裕のなさが影響していると指摘。また、データサイエンティストやサイバーセキュリティ専門家などのデジタルスキルを持つ人材に加え、DX戦略を立案する人材や現場で推進する人材が不足していると考察されている。さらに、中堅企業ではIT分野に精通した役員が「いない」と回答した割合が大企業の約2倍に上ることが問題視されている(下図参照)。このような人材が欠ける企業では、ビジョンの共有やDX予算の確保が遅れる傾向が明らかになった。
中堅企業が新技術を活用したビジネスに挑むには、デジタル対応力の向上が不可欠である。そのためには、まず社内でビジョンを共有し、役員や従業員がデジタルリテラシーを高める必要がある。そして、現場と連携しつつDX推進体制を整えることが求められる。
<図 IT分野に見識がある役員の有無>
(出典:IPA「DX動向2024 - 中堅企業のDXの取組についての考察」)
【参考情報】
2024年11月20日付 独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2024 - 中堅企業のDXの取組についての考察
https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/discussion-paper/dxwp2024-mse.html
1)従業員数100人以下の企業を「中小企業」、101人以上1000人以下の企業を「中堅企業」、1001人以上の企業を「大企業」と定義
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この記事は「ESGリスクトピックス2024年度 No.10」(2025年1月発行)の掲載内容から抜粋しています。
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