新型肺炎(新型コロナウイルス)対応時における実務のポイント
[このコラムを書いたコンサルタント]
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- 専門領域
- BCP/BCM
- 役職名
- リスクマネジメント第四部 事業継続マネジメント第一グループ コンサルタント
- 執筆者名
- 伊藤 渚生 Sho Ito
2020.3.24
2019年12月に中国・武漢市で発生し、2020年に入り、世界の広範囲に蔓延している新型コロナウイルスによる新型肺炎は(本稿執筆の時点で)収束の気配を見せていない。今後も拡大していくという予想をふまえて、本稿では新型コロナウイルス対応の環境下で企業が業務を実施する際のポイントを3つ紹介する。
(1) 正しい情報を収集し、的確な指示を行う
情報社会の進展に伴い、誰もが情報発信できるようになったことから、以前よりも真偽が疑われる情報が流れるようになった。情報に惑わされないようにするため、あらかじめ信頼できる公的な情報機関から逐一情報を収集することが重要である。特に、一次情報を提供している厚生労働省、国立感染症研究所、WHO等の公的機関から情報を得て判断を下すことが望ましい。また、同時に従業員へは適切な情報を提供し、具体的な対応指示を出すことが必要である。
(2) 適切な感染予防対策を実施し、必要な物品を配布する
新型コロナウイルスにおいても、適切な感染予防対策の実施が対策の第一歩となる。特に手洗い、うがいは感染予防対策の中でも基本的なものであるが、効果は大きい。加えて、企業で備蓄しているマスク等の衛生用品について、備蓄量に余裕がある場合は、従業員に供給することで衛生意識について高めることができる。
(3) 会議などのリモート開催を検討する
日本政府は2月26日に今後1~2週間が国内における感染拡大を食い止める山場であるとの認識を示し、大規模集会やイベントに関しては延期または中止を、さらに翌日には教育機関の休校を要請した。それに応じて、多くの教育機関、公共施設では休校・休館の措置を取り、お子様がいる従業員は対応を迫られた。すでに企業では時差出勤等を行っていたが、この措置により在宅勤務の導入・実施を検討した企業も多い。 在宅勤務では対応することが難しいお客さまとの打ち合わせなどは延期しなければならないこともあるが、日程・業務の都合上から延期できない場合も多い。その場合は、ネット等で会議を行うことが代替案で考えられる。ただし、ネット会議を行う際にはいくつか注意が必要である。
①事前に先方と周辺環境について確認を行うこと
会議を行う際に、双方のネットワークの環境や周辺機器が十分でないことにより実施が困難になる場合もある。そのため、事前準備として先方とコンタクトを取り、ネットワーク環境の確認及び、不足している機材や会議の際に支障となる事項を洗い出し、改善を行う必要がある。
②会議ルールの取り決めをすること
ネット会議では、通常の対面会議とは異なり、周囲の雑音やマイクのハウリングが会議の支障になる可能性がある。これらを防ぐために、話し手側から聞き手側に回った際はマイクをオフにする、意見を求めるタイミングを明確にする等のルールを設定しておくと会議をスムーズに進めることができる。
以上のことを参考にしていただき、新型コロナウイルスが蔓延する中でも滞りなく業務を続けられるように対応をしていただきたい。
以上