レポート

<号外>「令和4年台風第14号と風災への備え」

2022.9.1

要旨

令和4年台風第14号では暴風雨により西日本などで建物損壊や河川氾濫などが生じました。被害に遭われた皆様には、心からお見舞い申し上げます。

本稿では、令和4年台風第14号に関する情報についてまとめるとともに、近年の台風の傾向と風災への備えについてご案内します。

なお、本レポートは2022年9月20日時点の情報に基づいて作成しています。

1. 令和4年台風第14号について

「経験したことのないような暴風、高波、高潮、記録的な大雨のおそれ」と日本列島への上陸に先立ち気象庁が発表した令和4年台風第14号は、「18日19時頃に中心気圧935hPa、非常に強い勢力で鹿児島市付近に上陸し、19日朝にかけて九州を縦断。20日09時に温帯低気圧に変わった。(国土交通省災害情報1))」

総雨量、風速は「九州を中心に西日本で記録的な大雨や暴風となり、9月15日の降り始めからの総雨量は、九州や四国の複数地点で500ミリを超え、9月1か月の平年値の2倍前後となった。宮崎県美郷町では1,000ミリ近い雨量を観測した。また、最大瞬間風速では、鹿児島県屋久島町で50.9メートルを観測し、複数地点で観測史上1位の風を観測した。(国土交通省災害情報1))」

本稿「2.台風について」で述べているが、日本に接近する台風について近年は強度がより強くなり、移動速度が遅くなる傾向にあるとの分析がある。今回の台風第14号は中心気圧が一時910hPaまで下がり猛烈な勢力に発達するなど、同分析で示されたものと同様の特徴を有していたといえる。

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