
ESGリスクトピックス 2012年度 No.11
2013.2.1
国内トピックス2012年12~2013年1月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
<CSR>
森永製菓が支援地区産のカカオを使ったチョコをバレンタイン向けに発売
(関連情報:2013年1月11日 同社ホームページ、日本食糧新聞)
森永製菓は、「70g森永チョコレート<1チョコ for1スマイル>」をバレンタインシーズン向けに発売することを発表した。同商品は、同社が「1チョコ for1スマイルキャンペーン」で支援を行ってきたガーナの特定地区で生産されたカカオを使用したもの。
「1チョコ for1スマイルキャンペーン」とは、同社の対象商品1個の売り上げにつき1円をカカオ生産国への支援資金に充てるもの。同社は年間を通じて行う寄付に加え、本キャンペーンを2008年からバレンタインシーズンに実施し、これまでの総額は約1億1千万円に達している。
本取組の対象国であるガーナは、カカオ農家の多くが小規模かつ生産技術が未熟なため十分な収入が得られず、子どもたちが学校に通えないという問題を抱えている。この問題を解決するため、同社と複数のNGOが連携し、カカオ生産の技術指導・資金提供等の支援や子どもたちへの教育支援、教育ローンの設立等の取組を行ってきた。
<CSR>
キヤノン複合機がカーボンフットプリント宣言認定を取得
(関連情報:2012年12月4日 同社ホームページ)
キヤノンは、12月4日、同社複合機のうち9モデルについて、社団法人産業環境管理協会(以下、JEMAI)からカーボンフットプリント(CFP)(*)宣言認定を取得したことを発表した。複合機でのCFP宣言認定は初。
CFP宣言認定製品は、製品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算した値がJEMAIから認定されたもの。CO2排出量を見える化することで、事業者と消費者および利用者は製品やサービスの CO2排出量を互いに認識し、CO2排出量の削減に向けた取組を促進することが期待されている。
キヤノンは環境ビジョン「Action for Green」の実現に向けて、今後もCFPの取組を進め、製品ライフサイクルの各段階における環境負荷の把握と削減を推進していくとともに、ユーザーに対して、印刷設定の変更などによる環境負荷の少ない製品使用方法の提案を行っていくという。
<従業員満足>
エクスペディアジャパンが「世界22カ国有給休暇・国際比較調査2012」を公表
(参考情報:2013年1月18日 同社ホームページ)
オンライン旅行代理店のエクスペディアジャパンは、2012年9月13日から10月12日にかけて、22カ国の、合計8,687名(各国300サンプル以上)に、有給休暇調査を実施し、同調査結果をホームページ上に公表した。
同調査結果によると、昨年の調査に比べ、日本は22か国中で唯一年間の有給支給日数が増加し、昨年より2日多い13日支給されたことが明らかになったが、一方で有給休暇の未消化日数は昨年の6日から8日に増加したため、有給休暇の消化率は38%と、引き続き世界ワースト1位という結果となった。
Point!
本調査結果によると、日本の有給休暇の取得率は、他国と比べ著しく低いことが示されています。厚生労働省もかかる現状に問題意識を有しており、日本企業においても大企業を中心に、有給休暇の取得を促進する取組が増えつつあります。
<ハラスメント>
JFEスチールのパワーハラスメント防止に向けた社内研修活動が厚労省サイトで紹介される
(関連情報:2012年12月13日 厚生労働省ホームページ、厚生労働省ポータルサイト)
厚生労働省は、2012年12月13日、職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けたポータルサイト「みんなでなくそう!職場のパワーハラスメントあかるい職場応援団」で、JFEスチール株式会社の取組を紹介した。
同社では、人権啓発室が中心となり、パワーハラスメント防止は重要な人権課題であるとの認識のもと、事例検討を組み込んだグループディスカッション研修を実施している。具体的な手法は、以下の通りである。
①まず、講師が身近な職場で起こり得るハラスメント事例を設問として受講者に提示する。検討する事例については、あえて細かい場面設定を省くことにより、状況によっては様々な判定結果が出るようにしている。②受講者は、当該事例について個人別検討し、「問題あり×」「やや問題あり△」「微妙□」「許容できる○」「問題なし◎」の5択で判定をする。
海外トピックス2012年12月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
国連グローバル・コンパクトが人権に関するグッドプラクティスを発表
(関連情報:2012年12月19日 国連グローバル・コンパクトニュースリリース)
国連グローバル・コンパクト(GC)は12月19日、人権に関するグッドプラクティスを掲載した"Good Practice Notes on Human Rights"を発表した。
国連GCの人権ワーキンググループが策定したもので、以下の3トピックに関するグッドプラクティスなどを掲載している。
- ① 企業における人権方針の展開とリーガルカウンセルの役割
(人権保護に関する方針・枠組の検討への関与、人権侵害発生時の社内監査など) - ② サプライチェーンにおける人権向上のためのコミュニティとのエンゲージメントおよび投資
(現地のNGOなどとの連携、災害時の復旧支援、地域社会の青少年教育への投資など) - ③ サプライチェーンにおける労働者の権利向上へのサポート
(労働者用の人権ホットライン、サプライヤーの労働者を対象とした人権研修など)
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