
安全安心な職場づくりの原点 5S【労災リスク・インフォメーション 第6号】
2012.9.1
1. はじめに
「ちゃんと片付けなさい!」「使った物はもとの所に戻しなさい!」「整理・整頓しましょう!」 いずれも小さい頃、家庭や学校で言われ続けてきたことではないでしょうか。わが身を振り返ってみても、当時はその意味を深く考えることもなく、なかなか身につかない躾(しつけ)の一つくらいにしか捉えていなかったような気がします。そして大人になった今、また同じことを言われるわけです。でも、その意味や目的は単なる躾の域にとどまらず、ケガをしない(させない)、職業病にかからない、仕事のムリ・ムダ・ムラを省いて高い生産性を維持する、といった安全衛生管理の基本として位置づけられます。これは、厚生労働省が平成23年度より取り組んでいる第三次産業における労働災害防止対策において、4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)の普及促進を取り上げていることからも分かります。
一般に言われることですが、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ))の徹底度は業種を問わず、その作業現場を一目見ればある程度判断できるものです。すなわち、5S活動は実行すればその成果が表れ、目ですぐに確認でき、不十分であればすぐに改善でき、またその結果がすぐに確認できるという、実に管理しやすい活動であると言えます。現場の管理監督者が安全衛生管理に取り組む場合、まず5Sの徹底からはじめ、その効果を目で確かめながら活動をすすめていくうちに、「安全で快適な職場環境の確保」「品質の向上」「作業能率の向上」「コストの削減」「モラールの向上」「良好なチームワークの構築」などの果実を得ることができます。
いずれにしても、5S活動の最大の特徴は、成果が目に見える活動であり、安全衛生活動の基本として最初に取り組むべきものであるといえます。
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