
2019年度 No.1「経済産業省「サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク」の概要」
2019.7.1
要旨
- 経済産業省は、サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク(以下、CPSF)を策定、2019年4月18日に公開した。
- サイバー空間と現実(フィジカル)空間が高度に融合する「Society5.0」における産業社会では、ネットワーク化されたサプライチェーン上にサイバー攻撃の起点が拡散するとともに、攻撃の影響がフィジカル空間にまで及び、被害が影響する範囲も広くなることが懸念される。
- CPSFでは、新たなサプライチェーンにおけるリスク源を整理するためのモデル(三層構造と6つの構成要素)をサイバーセキュリティの観点から整理、このモデルを活用したリスク源の整理と対策要件、具体的な対策例を提示している。
- 本レポートでは、CPSFの概要を整理するとともに活用のポイントを解説する。
1.CPSF策定に至った背景と経緯
IoT(Internet of Things)技術の進展で、工場設備の稼働状況、自動車の走行時の記録、人の健康状態など現実(フィジカル)空間の情報は、センサーなどを介してデータとしてサイバー空間に送信・蓄積できるようになり、蓄積されたデータは人工知能(AI)による解析によって新たな価値が付加されてフィジカル空間にフィードバックされる。
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