レポート/資料

2021年度 No.4「働く女性の健康を考える」

2022.3.1

要旨

  • 女性の健康対策は、単に女性活躍推進の為だけではなく、生産性向上の観点からも必要な取り組みと言える。
  • 健康経営優良法人認定制度においては、優良法人2019の申請より、「女性の健康保持・増進に向けた取り組み」が評価項目として追加され、取り組む企業も増えている。
  • 認定企業の取り組みは、研修実施や環境整備が中心ではあるが、一部の企業では、不妊治療や更年期などに対する取り組みやアプリの活用も見られる。
  • 女性の健康対策は、今後、より重要性を増すと考えられるが、取り組みのポイントは①すべての従業員への教育と②多様な働き方の選択肢の提供である。

1. 女性の社会進出と健康課題

(1) 女性の就業状況と社会環境の変化

男女雇用機会均等法施行以降、各種の法整備やルール化および人々の意識変革が進み、女性労働者の活躍するフィールドは着実に拡大している。男女共同参画白書(令和3年版)によると、2020年の就業者数は、 男性3,709万人に対し、女性は2,968万人となっている。また、生産年齢人口(15~64歳)における女性の就業率は、直近の調査では下がったものの、近年は上昇傾向にあり70.6%となっている。

女性の社会進出においては、長らく年齢階級別労働力率(いわゆるM字カーブ)がその代表的なターゲット指標とされているが、改善が図られ、諸外国にみられる台形型に近づいてきている。その一方で、 30代以上での非正規雇用率の高さ(正規雇用率の低さ)がいわゆるL字カーブとして新たに課題認識され、新型コロナウィルスの流行下において、雇用調整など大きく影響を受ける形となっている。(図1)

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