
2013年度 No.3 「2013年 中国の台風」
2013.7.1
はじめに
台風1は毎年発生し、かつ甚大な被害をもたらす気象現象であり、企業としては最優先で対策を取るべき自然災害の一つです。
そこで、本稿では、中国に拠点を持つ企業が、台風対策を検討される際にお役立ていただくことを目的として、
- 1. 中国における台風概要、
- 2. 上海市、浙江省、広東省における台風の 2013年予測及び特徴・傾向、
- 3. 台風に対する備え(ハード面・ソフト面)、について紹介いたします。
1. 中国における台風概要
台風被害と言えば日本、と考えられがちですが、実は中国においてもかなりの影響が生じています。気象庁(日本)によると、日本では毎年平均約 26個の台風が接近し、そのうち約 3個が上陸しています。一方、中国では毎年平均約 27個が接近し、そのうち約 7個が上陸しており、日本と比較して 2倍以上の個数の台風が上陸しています。台風による中国全土での死亡者は毎年平均 400名余り、経済的損失は毎年平均 260億元(4,000億円相当)と言われており、深刻な被害をもたらしていることが分かります。なお、近年の傾向として、①上陸数の増加、②台風寿命の長期化(勢力がなかなか衰えない)、
③台風進路の多様化、などが見られます。
次に、企業における台風への備えの参考として、「強風」、「豪雨」、「洪水」により、一般に、どのような被害が発生するかを概観します。
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