2022年度 No.3「トルコの地震リスク(その1)」
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2023.2.1
要旨
- 今回の地震は死傷者数において2011年の東日本大震災を上回る災害となった。
- トルコは地震リスクの高い国であり、これまでに多くの地震被害が発生してきた。
- トルコでは自然災害による建物被害の70%超、経済被害の60%超を地震が占めている。
1. はじめに1,2
2023年2月6日にトルコ南部で発生した地震では、2月20日時点で4万3000人以上の死亡が確認されており、トルコ国内では1939年のエルジンジャン地震以降、海外を含めると2011年の東日本大震災以降で最多の死者数となった。本震は現地時間午前4時17分に発生し、その推定モーメントマグニチュードは7.8であり、震度7相当の揺れが観測されたとされる。またその後の午後1時24分にはモーメントマグニチュード7.5の余震が発生している。本地震は東アナトリア断層付近で発生した直下型の横ずれ断層型の地震とされる。東アナトリア断層では近年地震が頻発しており、1998年以降、今回の地震も含めてマグニチュード6以上の地震が4回発生している。
今回より数回にわたり、トルコにおける地震リスクに関する情報を提供する。まず本号では今回発生したトルコ大地震に関連してトルコにおける主要なプレートと断層について説明する。また次号以降では、今回の地震が発生した東アナトリア断層をはじめとする断層帯の情報やトルコにおける建物耐震基準の概要と課題などについて説明する。
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