
2022年度 No.1「タイにおけるサイバーリスク」
2022.6.1
要旨
- 2021年にタイでサイバー攻撃を受けたユーザーの割合は約21%であり、全世界平均の約29%と比べて低い水準になっているものの、2021年の損害額は前年と比較して144%増加しており、220万ドル(約7,260万バーツ)におよびます。
- サイバー攻撃の手口が多様化しており、海外子会社を踏み台にして本社のシステムに侵入するケースもあります。
- サイバー攻撃の対策のためには役割分担を事前に明確化しておくことと、定期的な訓練が重要です。
近年、コンピュータやネットワークを使用したサイバー攻撃のリスクが顕在化しています。サイバー攻撃には詐欺やID・パスワードの盗み取りや、不正アクセス等があり、コンピューターウイルスも含まれます。コンピュータシステムがウイルスに感染した場合、ファイルを破損させたり、全体の機能の設定を変更したり、他のデバイスやシステムを自己複製する等の恐れがあります。ウイルスはマルウェアの一種で、悪意のあるソフトウェアにより攻撃者が被害者から情報を盗んだり金銭を得たりするためのツールとして使用されています。近年、急増しているランサムウェアもウイルスの一種であり、このウイルスで攻撃された場合はファイルがロックされてしまい、ファイルを元に戻すことと引き換えに身代金を要求されるものです。
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