レポート/資料

2019年度 No.3「タイのPM2.5問題」

2019.2.1

1. タイの大気汚染状況

タイの涼しく霞んだ朝は例年多くの住民に歓迎されますが、最近、バンコクなどの大都市では不芳な原因で空気が霞んでいます。その原因とは、人体へ容易に入り込んで健康に悪影響を及ぼす非常に小さな粒子であり、住民の多くはPM2.5など大気汚染の状況を示す数値に大きな関心を持っています。バンコクなどの大気汚染レベルは2019年1月の2週目から悪化しています。PM2.5の濃度はバンコクおよびその周辺地域で警戒レベルに達しており、2018年より状況は悪化しています。専門家によれば、大気汚染の主な原因としてタイ国内および近隣国におけるディーゼルエンジンの排気ガス、バイオマスの燃焼、工場からの排気などが挙げられています。また、11月~5月頃まで続く乾季は雨が降らず空気がよどむため、大気汚染が発生しやすくなります。

大気汚染はタイに限らずミャンマー、ラオス、カンボジアなどASEAN諸国でも問題になっています。これはAsean Agreement on Transboundary Haze Pollution(AATHP)が推し進める単式農法や森林破壊の防止活動が機能していないことも一因と考えられます。

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