
2021年度 No.7「マレーシアの洪水」
2021.12.1
要旨
- 100年に一度ともいわれる洪水がマレーシアで発生しています。
- 日系企業でも浸水被害が出ている他、物流の寸断による操業への影響が出ています。
- 被災した自社施設に向かう際に、浸水エリアを歩いて移動するのは大変危険です。
- 被害状況確認時・復旧時には火災・感電などのトラブル防止が重要です。
- 感染症、食中毒防止のための衛生管理にも留意が必要です。
概要1
マレーシアで12月17~18日にかけて降り続いた豪雨により首都圏を中心にセランゴール州、マラッカ州、クランタン州など8つの州・地域で洪水が発生、23日時点で37人が死亡、6万人以上が避難する事態になっています。 行方不明者も報告されていることから、今後死者数の増加が懸念されています。また避難所での新型コロナウイルス集団感染も危惧されています。
この洪水により、国内有数の港湾と工業地帯が所在するセランゴール州では、複数の道路の寸断による物流への支障が出ています。また同地には日系企業の工場が集積しており、自動車製造工場をはじめとして、 浸水や物流の寸断による操業停止などの影響も出ています。さらにマレーシアには半導体関連の工場が多いため、世界的な半導体サプライチェーンへの一層の影響も懸念されています。
1.100年に一度の洪水との話も2,3,4
マレーシアでは5~9月が南西モンスーン、11~3月が北東モンスーンと年2回モンスーンの時期が あります。このうち北東モンスーンのほうがより多くの降雨をもたらす傾向があり、洪水を発生させます。今回の大雨も北東モンスーンの影響と考えられます。
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