
2021年度 No.4「バンプー工業団地の内水氾濫」
2021.9.1
概要
- 2021年8月29日、バンコクの約25km南に位置するバンプー工業団地で洪水が発生しました。
- 洪水の原因は排水能力を上回る降雨=内水氾濫です。
- チャオプラヤ川上流域の主要ダムの水量は、依然、低いレベルが継続しています。
- チャオプラヤ川の水位は7月中旬時点から上昇していますが、全ての地点で"Normal(洪水危険なし)"の状態です。
バンプー工業団地で発生した内水氾濫
バンプー工業団地はバンコクから南へ約25kmのタイ湾に近い場所に位置しています。2021年8月29日、大雨により工業団地内の道路や工場の敷地で最大1m程度の洪水が発生しました。この洪水により、多くの車両が浸水し、 従業員の一部が建物から出られない状況になりました。また、1階に保管されている多くの完成品や機械設備が浸水被害を受けています。調査速報によれば、工業団地内の累積浸水量は約200万m3に上り、 フリーゾーンを中心に約80%のテナントが被害を受けたとのことです。当洪水への初期対応として、災害防止軽減局(Department of Disaster Prevention and Mitigation)が軍と協力してトラックを手配し、従業員や小型車を避難させました。
バンプー工業団地の洪水対策
バンプー工業団地では、洪水対策計画に基づき、敷地内の11箇所に排水ポンプが設置されています。これらのポンプの合計排水量は70,000m3/時です。これは、今回の洪水による浸水量を1~2日で敷地外へ排水する能力に相当します。
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