レポート/資料

2016年度 No.3「スリランカで発生した大規模洪水・地すべり」

2016.5.1

1. 被害の概要

2016年5月、スリランカで、ここ25年で最大の被害となる洪水、地すべりが発生し、90名以上が死亡しました。
スリランカのDisaster Management Centre(DMC)によれば、この洪水および地すべりで、死者94名、けが人32名、行方不明者107名が発生し、避難者は120,000人以上、家屋の被害は4,500戸以上に上ると報告されています。最も大きな被害となったAranayakaでは、5月17日に発生した地すべりで、死者40名以上、行方不明者104名が生じています。また、財務責任者Ravi Karunanayakeによれば、経済的な被害は15億~20億ドル以上とされています。
浸水の状況は、21日以降、徐々に改善されてきていますが、UNOCHAは完全に水が引くまでには、あと数日を要すると予測しています。複数の地域では、未だ家屋の屋根の高さまで浸水しています。
UNOCHAによれば、最も影響を受けたのは、スリランカ国内でも洪水、地すべりに対して脆弱な農村です。多くの農村では、家、財産、農地など、生活のために必要な全てが失われています。

2. 大雨の原因

今回の大雨は、5月14日からスリランカ上空に停滞した低気圧によってもたらされ、日降水量350mm(13.77インチ)を超える激しい降雨が発生しました。この大雨により、スリランカ最大の都市コロンボを含む19の県で深刻な被害が生じています。WMOによれば、コロンボにおける4月の平均降水量は245.6mmですが、5月15日~16日にかけて、1日で256mmもの降雨がありました。

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