経済産業省がリコールハンドブックの概要版を公開 日本語版にあわせ英語と中国版も
2024.7.3
経済産業省は2024年3月29日、消費生活用製品に関する「リコールハンドブック 2022」の概要版を公開しました。
経済産業省は、事業者に対して消費生活用製品のリコール対応のあり方を示した「リコールハンドブック」を2007年に公表し、随時改訂を行ってきました。
同ガイドブックは、事業者に求められる日頃の対応や、万一の製品事故発生時の対応、リコール開始後のモニタリングについて事例も交えて詳細に解説する一方、版を重ねるにつれページ数が増え、直近の 2022年版では159ページというボリュームになっていました。
今回公表された概要版は、11ページとコンパクトにまとめられており、事業者にとってより手に取りやすい分量となっています。
概要版は以下の構成に沿って、リコールの重要性を解説しつつ、実際にリコールを実施する際の6つのアクションとモニタリングについて、わかりやすく解説しています。
- リコールとは
- リコール実施のフロー
- リコール実施のアクション:アクション1(事実関係の把握等)
- リコール実施のアクション:アクション2(リコールを実践するか否かの判断)
- リコール実施のアクション:アクション3(対策本部等の実施母体の設置)
- リコール実施のアクション:アクション4(リコールプランの策定)
- リコール実施のアクション:アクション5(社告等の情報提供方法の選択)
- リコール実施のアクション:アクション6(関係機関への連絡と協力要請)
- リコール実施後のモニタリング
また、概要版は日本語版と併せ、英語版、中国語版も公開されています。この背景としては、海外製造製品による国内での重大製品事故の増加があると推測され(図1)、海外の事業者に国内において求められるリコール対応の概要を伝えるねらいがあると考えられます。
今回公表された概要版は従来のリコールハンドブックから内容変更をともなうものではありませんが、事業者においては改めてこの機に内容を再確認し、万一の製品事故発生時に適時適切な対応がとれる体制を整えておくことが適切といえます。
経済産業省「リコールハンドブックの概要版(日本語、英語、中国語)を公開しました」
https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/recalltorikumi.html
1)第9回製品安全小委員会、資料1「製品安全行政を巡る動向」P14 資料を元にMS&ADインターリスク総研にて作成
「PLレポート」は四半期に1回、国内外の製品安全、PLリスクに関連するニュースを紹介します。
また、昨今の技術革新や市場の変化等を踏まえた製品安全に関わる旬のトピックスを連載します。
この記事は「PLレポート(製品安全)<2024年6月号>」(2024年6月発行)の掲載内容から抜粋しています。
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https://rm-navi.com/search/item/1720