
短絡 (Short Circuit) による電気火災リスク【InterRisk Asia Report (2024 No.01)】
2024.7.8
- 短絡はアジアにおける火災事故の主な原因の1つであり、電気配線の不適切な管理および使用により発生します。
- 短絡の防止策として、コンセント状態や電源タップ容量の確認、ブレーカーの適切な設置、各国の安全規格に準拠した電気機器の使用、扇風機のメンテナンス等の対策が求められます。
- 電気火災は突然発生するように感じますが、適切な管理・点検すると事前に兆候を確認することができるため、電気火災のリスクを認識して日頃から対策を講じることが重要です。
短絡は火災事故の主な要因の一つ
東南アジアの高温多湿の気候は電気設備にとって過酷な環境であり、短絡( Short Circuit)は身近な火災の原因の一つです。バンコク消防局の統計データによると、タイにおける火災原因で最も多いのは草地火災・廃棄物火災であり、次に短絡による電気火災となっています(下図参照)。短絡はタイのみならず多くのアジア諸国において主たる火災事故要因となっており、短絡は最悪の場合には壊滅的な火災事故に繋がるおそれがあります。工場やオフィス、家庭の一般的な電気配線には共通して短絡のリスクが潜在しており、誰もが短絡のリスクと対策について認識しておくことが重要です。
Figure 1: 草地火災・廃棄物火災(左)と短絡(右)の年次比較データチャート
(Reference: Bangkok Fire and Rescue Department)
※上図には、2017年1月から2023年3月までの統計データが示されています。
短絡とは?
短絡は、電気が回路内の従来の経路から外れた近道を見つけたときに発生します。これは通常、異なる電圧の2本の電線が意図せず接触した場合、または電気導体が地面に接触した場合に発生します。短絡は電線の過熱や溶解、火花の発生などを引き起こすことがあります。これにより近くの引火性または可燃性の物質が発火すると、火災となる危険が生じます。
一般的な家庭用電気機器には毎日使用するような扇風機、ソケット、およびその他の電化製品がありますが、これらの機器は、過度の使用や損傷による短絡を引き起こす潜在性を持っています。

Figure 2: 短絡 Short circuit のイメージ
(Reference: generated by OpenAI's DALL-E model)
短絡を含む電気事故の発生要因
短絡やその他の電気事故は、以下のような様々な要因によって引き起こされる可能性があります。
- 動物や虫による電気配線の損傷
- 水やその他の液体の電気配線との接触
- コンセント付近への埃の堆積によるトラッキング現象
- 電気盤内の配線接触部の緩み
- コンセント、スイッチ、照明、その他の電気機器の老朽化や破損
- 壁に貫通した釘やネジと電気配線の接触
- 電気配線の被覆の劣化
- 過電流や雷サージ
- 過負荷の電気機器による発熱 (過負荷とは、負荷が通常または定格電流よりも多くの電流を取る状態のこと)
不適切な箇所での使用・保管、規格外の機器の使用、長時間の継続使用、回路の過負荷など、電気機器を不適切に使用した場合に短絡やその他の電気事故の可能性が高まります。これらが過熱を引き起こし、ケーブルを損傷させて回路の絶縁を損なうことで短絡等の不具合を引き起こし、火災の危険をもたらします。
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