レポート

<第95号>「2023年台風等による風水害への備え」

2023.11.1

要旨

2023年7~8月の台風6号・7号、そして9月には台風13号など、この3か月間で日本各地で大きな被害が発生しました。被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げます。

本レポートではこれらの災害の教訓等も踏まえて、今後の台風等の風水害への必要な備えを取り纏めました。

1. 台風6号、7号、13号の概要

2023年7~8月は台風6号と7号、そして9月には台風13号など、この3か月間で日本各地に大きな被害をもたらす台風が相次いだ。本稿ではこの3つの台風を振り返るとともに、今後、予想される台風等の風水害に対する必要な備えを取り纏めたものである。まずは台風6号、7号、13号の概要を示す。

台風6号は8月2日に最も沖縄に接近、いったん東シナ海に進んだのち、6日に再び沖縄地方に接近した。その後、9日には九州の西の海上を北上した。24時間降水量は鹿児島県の2地点で観測史上1位の値を更新した。人的被害は83人、住家被害は64棟であった(内閣府、2023年8月10日時点1))。

台風7号の特徴は速度が遅く、長時間にわたって影響を及ぼした、暖かく湿った空気を大量に運んだことにより経路から離れた地域でも大雨となった、陸地を横断した後も勢力が衰えず北海道付近まで進行したことである。8月15日に和歌山県に上陸したのち、近畿地方を北上し日本海に達したこともあり、西日本だけではなく、東日本を含む広い範囲で大雨となった。24時間降水量は岩手県、岐阜県、兵庫県、岡山県、鳥取県の8地点で観測史上1位の値を更新した。人的被害は65人、住家被害は181棟であった(内閣府、2023年8月17日時点6))。

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