レポート/資料

<号外>「平成28年熊本地震について」(続報)

2016.4.1

はじめに

2016年4月14日21時26分に熊本県熊本地方でマグニチュード(以降、Mと表記)6.5の前震が、16日1時25分に同地方でM7.3の本震が発生した。その後、熊本県から大分県にかけて大きな地震が頻発しており、各地で家屋の倒壊や土砂災害などの被害が発生している。被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げる。

本レポートでは、平成28年熊本地震(以降、本地震と表記)の概要とともに、本地震の発生を受け、企業の地震対策にかかるヒントとなる点について紹介する。なお、本レポートは4月19日17時現在の情報に基づいて作成したものである。また、4月15日に発行した災害リスク情報<号外>1)の続報であり、前号と重複する部分があることをご了承いただきたい。

1.平成28年熊本地震の概要

(1)地震の概要

4月14日21時から19日13時30分までに発生した主な地震の震央分布図1を図1に示す。布田川断層帯、日奈久断層帯の周辺や、これらの断層帯の北東側の大分県などで大きな地震が連鎖的に発生している。これらの一連の地震が発生しているエリアは「別府-島原地溝帯」と呼ばれ、活断層が集まり九州の中でも比較的地震が多い地域である。

14日に発生したM6.5の地震では熊本県益城町で震度7の揺れが観測されるなど、当初は本震として考えられていた。その後、16日により大きなM7.3の地震が発生したことにより、この地震を本震とし、M6.5の地震は前震と位置づけられることになった。これらの2つの地震の推計震度分布2を比較すると、本震では震度4以上の揺れがより広範囲に広がっており、地震の規模が大きくなっていることがわかる(図2)。

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