レポート

<号外>「平成28年熊本地震について」

2016.4.1

はじめに

2016年4月14日21時26分に熊本県熊本地方でマグニチュード(以降、Mと表記)6.5の地震(気象庁が「平成28年熊本地震」と命名)が発生し、熊本県益城町で最大震度7の揺れを観測した。被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げる次第である。

日本で震度7が観測されたのは2011年3月の東北地方太平洋沖地震以来であり、九州地方では観測史上初となった。本レポートでは、平成28年熊本地震(以降、本地震と表記)の概要とともに、熊本県周辺の地震環境について紹介する。なお、本レポートは4月15日15時現在の情報に基づいて作成したものである。

1.平成28年熊本地震の概要

4月14日21時26分に発生した地震の震源付近の震度分布を図1に示す。熊本県益城町で震度7、同県玉名市、宇城市松橋町、熊本市などで震度6弱などの強い揺れが発生したほか、九州地方、中国地方、四国地方にかけて震度3以上の揺れが観測された。その後、15日0時3分にはM6.4(宇城市で震度6強を観測)の大きな地震が発生した。15日10時時点で震度1以上の余震が123回発生しており、1995年1月の兵庫県南部地震(M7.3)における余震活動を上回るペースで推移している。

本地震は内陸で発生した直下型のあり、大きな津波おそれかった。また阿蘇山などの活火山の活動状況の大きな変化は確認されていない。

高層ビルなどに影響を与える長周期地震動については、熊本市で長周期地震動階級(表1)における階級4が記録され、2013年3月の観測以降では初の階級4となった。
なお、長周期地震動の詳細については災害リスク情報第56号2)を参照願いたい。

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