
<号外>「金属に起因する火災リスクと安全対策について」
2014.5.1
はじめに
5月13日午後4時すぎ、東京都町田市にある金属加工工場で火災が発生した。
本火災の特徴として、加工工場で使用していたマグネシウム、アルミニウムが水と反応し、火災の拡大や爆発のおそれがあったため、放水活動ができず鎮火に時間を要した点が挙げられる。
マグネシウムやアルミニウム粉は消防法において特別な取扱いが必要な物質に指定されている。本稿では災害の概要と金属に起因する火災の事例、法令に定められる火災危険性の高い金属類についてその管理や防災対策について概説する。
1. 事故概要
5月13日午後4時すぎ、東京都町田市の金属加工工場で爆発が起き、火災が発生した。工場内ではマグネシウム約80kgとアルミニウム約20kgが燃え、水をかけると爆発する恐れがあるために消火活動は難航。午後6時頃、工場内から爆発音が相次いだ。その直後に火が強まり、2階の窓から外まで炎が噴き出し、猛烈な黒煙が周囲に立ちこめた。周辺住民は約30名が付近の体育館に避難したり、行政からの呼びかけにより外出を自粛するなどした。
午後8時頃には外から見える炎は小さくなったが、内部では小規模な爆発が起きており、消防隊が突入して砂や専用の消火器を使う消火活動ができなかった。
東京消防庁は翌14日早朝から消火活動を再開。燃焼しているマグネシウムに砂をまいたり、金属火災用の特殊な消火剤で火勢を弱めた。同日午後には体育館に避難していた近隣住民約30人に帰宅が許可され、東京消防庁は、発生から約24時間後の14日午後4時35分、火をほぼ消し止め、鎮圧したと発表した。
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