レポート/資料

第50号「『建築物の耐震改修の促進に関する法律』の改正について」

2013.8.1

1. はじめに

2013年5月22日、参議院本会議で「建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が全会一致で可決され、5月29日、公布されました。同法は今後、公布より6ヶ月以内に施行されます。

同法施行後は、不特定多数の者や避難弱者の利用する大規模建築物、避難道路沿道建築物などに対し、耐震診断および結果の報告が義務化され、また耐震診断結果が公表されることとなります。

本レポートでは、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(以下、耐震改修促進法)の概要と今回の改正内容を整理するとともに、企業における地震対策のポイントについて解説します。

2. 耐震改修促進法の沿革と改正内容

(1) 耐震改修促進法の沿革

耐震改修促進法は、旧耐震基準で設計された建築物の耐震改修を促進し、建築物の地震に対する安全性を向上させ、国民の生命、身体、財産を保護することを目的として、1995年12月25日に施行されました。背景としては、第一に1995年1月に発生した阪神・淡路大震災における、死亡者の大多数が家屋倒壊等による圧迫死であったこと、第二に、同震災で1981年の建築基準法改正以前の耐震基準(=旧耐震基準:次項参照)により設計された建築物に大破・倒壊などの地震被害が集中したことが挙げられます(図1)。

レポートを全て見る