
第45号「日本の洪水リスクと企業の対策」
2012.10.1
はじめに
今年も台風シーズンとなりました。9月末時点での台風の上陸数は1個と例年を下回るものの、発生数・接近数は例年を上回っており、継続的な注意が必要です。台風は風による被害に加えて高潮・河川氾濫や内水氾濫などの水害をもたらします。近年では集中豪雨の増加に伴う洪水リスクの増大も指摘されています。
また2005年のハリケーンカトリーナや2011年のタイ洪水など世界的に見ても水害の脅威が高まっています。
日本では水害の増加を踏まえて2005年に水防法が改正され、一級河川(都道府県は主要な二級河川)の浸水想定区域図や洪水ハザードマップの公表が進められるなど、地域の水害防止力の向上を図るための取組みが進められてきました。
また中央防災会議(内閣府)では、首都圏の大規模水害を対象とした「大規模水害対策に関する専門調査会」を2006年に立ち上げ、首都圏に甚大な損害を発生させることが想定される荒川及び利根川の洪水ならびに高潮による大規模水害について、被害想定・被害昀小化のための対策について検討が行われてきました。9月にはその結果をまとめた「首都圏大規模水害対策大綱」(以下、大綱)が公表されています。
本レポートではこうした昀近の水害に関する国・行政の取り組みや日本の洪水リスクについて整理した上で、企業における水害対策のポイントについて解説します。
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