
2019年度 No.1「中国でよく用いられるガス系消火設備の設置基準、メンテナンスについて」
2019.4.1
要旨
- ガス系消火設備とは、特定の気体の性質を利用して、火災が起きた時に消火する場所(防護区画)内の酸素濃度を下げたり、化学的に燃焼反応を中断させる等して消火するための設備をいう。素早く効率よく消火できる、保護すべき対象を汚損させない等の利点がある。
- 本稿は、工場でよく用いられる二酸化炭素消火設備、ハロゲン化物(FM-200等)消火設備等について、その設置基準、取り扱い上のリスクやメンテナンスについて紹介する。
1. ガス系消火設備の概要
(1)ガス系消火設備の分類
中国においてガス系消火設備は、使用する消火剤、設備の構造や特性、使用方法、加圧方法等によって分類される。このうち、消火剤による分類が最も一般的であり、二酸化炭素、ハロゲン化物(FM-200)、その他の不活性ガスを用いるものの3つに分けることができる(図1)。
①二酸化炭素消火設備
二酸化炭素消火設備は、消火剤として二酸化炭素を用いる。二酸化炭素は不活性ガスのひとつであり、燃焼物を窒息させたり冷却して消火する効果がある。ただし、空気中の二酸化炭素の濃度が7~9%に達した場合には、現場にいる人が呼吸困難に陥る危険性がある。
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