外国公務員に対する贈賄への対応強化に向けて外国公務員贈賄防止指針を改訂
2024.6.5
経済産業省は2024年2月、外国公務員贈賄防止指針を改訂した。2023年6月に不正競争防止法の一部が改正され たことに加え(1)、OECDからのスモール・ファシリテーション・ペイメント(SFP)(2)に係る解釈についての指摘を踏まえたもの。本改訂により、企業における外国公務員に対する贈賄防止体制の構築と運用のポイントや外国公務員贈賄の法解釈に関して、内容が拡充された。改訂された主な点は以下のとおりである。
- 外国公務員贈賄罪にかかる法改正事項の反映
- スモール・ファシリテーション・ペイメント(SFP)に 関する記載の修正
- 海外子会社・支店の従業員による贈賄行為について、親会社(本社)に処罰が及ぶケースの明確化
- 外国公務員贈賄防止体制の構築(特にリスクベース・アプローチ)に関する記載の充実
2024年4月より改正不正競争防止法が施行される。企業においては、上記指針を参考にし、贈賄防止体制の見直しに活用されたい。また、あわせて、自社の贈賄リスク対策の現状を簡易チェックすることができ、対策の段階ごとに留意すべき事項が示された「外国公務員贈賄防止指針のてびき」(3)があるため、こちらも参照されたい。
1)外国公務員への贈賄に関しては、違反者への法定刑引き上げ、公訴時効期間の延長、処罰対象拡大(日本人ではない国外従業員等による贈賄行為も対象)等の罰則強化がなされた。
2)一義的な定義があるものではないが、例えば、通常の行政サービスに係る手続の円滑化のための少額の支払いとされることがある。
3)https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/zouwai/pdf/zouwai_shishin_tebiki.pdf
【参考情報】
2024年2月1日付 経済産業省HP
https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/zouwai/pdf/GaikokukoumuinzouwaiBoushiShishin.pdf
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この記事は「ESGリスクトピックス2024年度 No.1」(2024年4月発行)の掲載内容から抜粋しています。
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