コラム/トピックス

SOCとは?具体的な内容と導入プロセスについて解説

2025.2.21

SOCとは、サイバー攻撃の検知や分析を行い、対策を講じる組織のことです。サイバー攻撃の巧妙化と多様化にともない、SOCが重視されるようになっています。そこで本記事では、SOCが重視される背景、具体的な業務内容、導入時のポイントや着眼点について解説します。

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SOCとは?

SOCとは「Security Operation Center」の略です。企業の情報システムにおけるセキュリティ運用を一元化する組織を指します。

サイバー攻撃の検知や分析だけでなく、日常的な監視や脅威への対応、システム全体のセキュリティ監視やインシデント対応などを包括的に行い、企業の情報資産を保護する役割を担っています。

SOCは以前まで、内部SOCとして、社内に置く企業が多くありました。しかし、近年の高度化するサイバー攻撃に対処するため、高い専門性と24時間365日の継続的な監視体制が求められています。

専門的な知識を持った人材採用と継続的な運用を実現するための環境構築を内製化することが大半の企業では困難なため、外部SOCとしてアウトソースすることも一般的です。

内部SOCの特徴

メリット

  • 迅速な意思決定:組織の業務、システム、データ、文化などを深く理解しているため、より的確で迅速な意思決定やインシデント対応ができます。
  • 情報漏えいのリスク低減: 機密性の高い情報へのアクセスを内部で管理できるため、情報漏えいのリスクを低減できます。

デメリット

  • 運用体制維持の難しさ: 専門知識を持つ人員を確保し、24時間365日の運用体制を維持するには、多大なコストと労力が必要となります。
  • 高度なスキルを持つ人材の確保・育成の難しさ: 最新の脅威に対応できる高度なスキルを持つ人材を確保・育成することが困難です。

外部SOCの特徴

メリット

  • 24時間365日の運用体制: 専門知識を持つ人員が、24時間365日体制でセキュリティ監視とインシデント対応をしてくれます。
  • 高度なスキルと専門知識: 最新の脅威情報と高度なスキルを持つ専門家が対応するため、質の高いセキュリティ対策を実施できます。
  • 人材不足への対応:希少なセキュリティ人材の効率的な活用や適切な配置に柔軟に対応することが可能です。

デメリット

  • 機密情報の取扱いへの対応: 外部に機密情報を共有する必要があるため、それに応じた情報や業務整理が必要です。
  • カスタマイズが困難:アウトソーシングするため、自社の要望にあったカスタマイズが難しくなる場合もあります。

SOCとCSIRTとの違い

SOCと似た言葉としてCSIRT(Computer Security Incident Response Team)があります。区分するなら、SOCがサイバー攻撃の監視・検知に特化しつつ初動対応を担う組織で、CSIRTはインシデント全般の対応統制や予防策の策定も担う組織であると言えます。

SOCとCSIRTは、それぞれ異なる役割と目的を持ちますが、どちらも組織のセキュリティを守るうえで重要な取り組みです。SOCとCSIRTが互いに協力し、それぞれの役割を果たすことで、組織は安全かつ安心して事業を展開できます。

SOCとMDRとの違い

MDR(Managed Detection and Response)とは、サイバー攻撃の検知と対応を外部に委託するサービスのことです。SOCやCSIRTにおける主にエンドポイントやネットワーク監視、インシデント対応の意思決定支援などの役割を外部チームが代行するサービスとなります。

SOC、CSIRT、MDRの違いについては、サービスベンダーによっても要件が変わってくるため必要に応じて確認しましょう。

SOCが重視される背景

ここではSOCがなぜ必要とされているのか、社会的な背景について説明します。

サイバー攻撃の多様化と巧妙化

サイバー攻撃は日々多様化し、巧妙化しているため、より高いレベルのセキュリティ対策を講ずるニーズが高まっています。また、サイバー攻撃のリスクは業務時間外も常にあるため、24時間365日監視する必要が生じています。

SOCを導入し、迅速に異常を検知することで、早期にインシデント対応を開始し被害を最小限にすることや事業継続性を高めることが出来ます。

コンプライアンスの強化

個人情報保護法やサイバーセキュリティ基本法など、セキュリティに関する法規制が強化されています。従業員が故意または重過失によって個人情報を漏えいさせた場合、従業員個人も罰則の対象となることもあります。

SOCは、これらの法規制に対応するためのセキュリティ対策を支援し、企業がコンプライアンスを遵守するために活用されています。

SOCの運用プロセス

SOCはどのように運用されているのでしょうか。ここでは3つのプロセスに分けて解説します。

監視と検知

リアルタイムでネットワークやシステムを監視して、脅威を検知します。ファイアウォール、IDS: Intrusion Detection System(侵入検知システム)、IPS: Intrusion Prevention System(侵入防止システム)、WAF:Web Application Firewall(ウェブアプリケーションへの攻撃を防御)、UTM:Unified Threat Management(統合脅威管理)などのセキュリティ機器、サーバー、ネットワーク機器、従業員が利用するエンドポイントなどから収集したログをリアルタイムで監視し、異常を検知します。

また、検知した脅威の中から、本当に対応が必要なものを見極めるのも監視業務のひとつとなります。

分析や調査

脅威の検知後は、その原因を特定するために分析や調査を行う必要があります。脅威の種類やその影響範囲、攻撃元の特定など網羅的に分析を行います。

その結果として、誤検知の排除や、事象に対する対策の重要度や緊急度を判別します(トリアージ)。

対策の実施

インシデントに対して、対応計画に基づいて対策を実施します。前段の調査結果を元に、被害を最小限に抑えるよう適切な順序で対応を進めます。重大なインシデントの場合は、経営との連携も求められるため、レポーティングや社内調整も重要な役割です。

また、再発防止策の立案や、SOCの運用プロセス、人員教育を継続的に行っていくことで企業のセキュリティリスク低減につとめます。

SOC導入時のポイント・着眼点

サイバー攻撃に対応するために、SOCのニーズが高まっていることはすでに述べました。ではSOCを導入する際には、どのような点に注意すればよいでしょうか。ここでは、SOC導入時のポイントと着眼点について解説します。

経営層の理解と協力

SOCの構築・運用には、高度なセキュリティ技術や専門知識を持つ人材、そして最新のセキュリティツールなど、コストとリソースが必要となります。さらに、外部SOCを利用して外部化することなど、経営層の理解と意思決定が求められます。

また、経営層がSOCの重要性を理解し、積極的に支援することで、組織全体のセキュリティ意識を高め、セキュリティ対策への積極的な参加を促せます。セキュリティインシデント発生時の迅速な意思決定や対応にも寄与するでしょう。

適切な人材の確保とトレーニングの重要性

SOC導入には、セキュリティ分析、インシデント対応、ログ分析、脆弱性診断などの専門スキルを持ち、学習意欲の高い人材が必要です。また、採用後は継続的なトレーニングが不可欠です。サイバーセキュリティの脅威は常に進化するため、最新の技術や知識の獲得のための研修を実施しなければなりません。

人材確保が難しい場合は、外部SOCの導入を検討してみてもよいかもしれません。専門知識を持つ企業に委託することで、自社の状況に合わせたSOC導入ができるはずです。

まとめ

本記事では、サイバー攻撃の脅威が増大する中で、企業のセキュリティ対策の要としてSOCが注目されている背景、具体的な業務内容、導入時のポイント・着眼点について解説しました。

SOCは、サイバー攻撃の検知・分析・対応を行う組織であり、企業のセキュリティ体制を強化し、情報資産を守る重要な存在です。内部SOCと外部SOC、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の状況に合わせて最適な選択をしましょう。

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