PLレポート 製品安全 2015年度 No.9
2015.12.1
国内トピックス最近公開された国内のPL・製品安全の主な動向をご紹介します。
消費者安全調査委員会が「毛染めによる被害」の報告書を公表
（2015年10月23日 消費者安全調査委員会）
消費者庁の事故データバンクに、毛染めによる皮膚障害の事例が毎年200件程度登録されている実態を受け、消費者安全調査委員会は毛染めによる皮膚障害への対策が必要であると判断し、当該事故等の原因調査結果について10月23日に報告書を公表した。
本報告書によると、セルフテストを実施したことがない消費者が7割以上を占め、また、軽微なかゆみや痛みを無視して毛染めを続けるうちに重篤な症状が現れた事例が、患者への聴取りの中で散見されるなど、消費者は、リスクを回避するための行動をとるまでには至っていないと指摘している。
東京都が乳幼児の使う製品におけるヒヤリ・ハットの調査結果を発表
（2015年10月29日 東京都生活文化局消費生活部）
東京都は、10月29日、乳幼児が使う製品及び保護者が使う乳幼児を育てるための製品によるヒヤリ・ハット経験をアンケート調査し、その結果及び注意ポイントをまとめた『ヒヤリ・ハット「乳幼児が使う製品による危険」報告書』を発行した。
この調査は、乳幼児（0歳児から小学校入学前の6歳児）が使用する製品等に関する危険の実態を把握し、事故の防止対策を図るために、日常生活における危害やヒヤリ・ハット事例等を収集することを目的に行われた。今回の調査では、東京都及び近県に居住する未就学児の保護者3,000人に対し実施された（調査時期：2015年1～2月）。
厚生労働省が「HACCPチャレンジ事業」を立ち上げ
（2015年11月2日 厚生労働省）
厚生労働省は、11月2日、「HACCPチャレンジ事業」を立ち上げ、本事業に参加する食品等事業者の募集を開始した。本事業では、以下の全ての要件を満たす事業者であれば、同省へ参加申請を行うことにより、HACCP※1に取り組む食品等事業者として同省のウェブサイトで公開される予定。
- 食品等事業者であること。
- HACCPによる衛生管理に継続的に取り組んでいること。
- HACCP自主点検票※2を用いて、HACCPを構成する手順1から手順12の適応を自主的に確認していること。
厚生労働省が「食品、添加物等の年末一斉取締りの実施について」を公表
（2015年11月6日 厚生労働省）
厚生労働省は、11月6日、「食品、添加物等の年末一斉取締りの実施について※」を地方自治体宛に通知し、取締り実施を要請した。これは食品の衛生的な取扱い及び添加物の適正な使用等について、食品等事業者に対する監視指導の強化を図ることで、年末における食中毒の発生防止及び食品衛生の向上を目的としている。実施期間は原則12月1日から12月28日までとされている。
同取組では、例年、夏季（7月）と年末に各都道府県等が食品等事業者の施設に対する立入検査等を行い、施設基準等の違反の発見および排除に努めるとともに、食品等の製造および保管等における衛生的な取扱いについて指導している。
海外トピックス最近公開された海外のPL・製品安全の主な動向をご紹介します。
自転車製造・流通事業者13社がクイックリリースレバー交換のリコールを発表
（2015年9月29日 CPSC）
CPSC（Consumer Products Safety Commission：米国消費製品安全委員会）は、9月29日、ホームページ上で、前輪にディスクブレーキとクイックリリースシステム※1を装着している自転車を製造・販売している事業者13社が、リコールを実施したことを発表※2した。
発表によると、自転車の前輪とフレームの脱着をカムレバーの開閉のみで容易に行えるクイックリリースシステムにおいて、カムレバーの調整が不適切であったり、走行中もカムレバーが開いた（OPEN）状態のままである場合、下右図（CPSCのホームページより転載）のように、当該レバーとディスクブレーキのロータの間隔が想定よりも狭くなる。
玩具の輸入・販売事業者が米国司法省による危険な玩具の輸入・販売の禁止命令に従うことに合意
（2015年10月19日 CPSC）
CPSC（Consumer Products Safety Commission：米国消費製品安全委員会）は、10月19日、米国司法省がカリフォルニア州の連邦地方裁判所に対し、玩具の輸入・販売事業者2社への違法かつ危険な玩具の輸入・販売の差し止めを求めていた訴訟で、被告となった事業者が、活動の遵法性と是正措置の実施状況の改善についてCPSCによって認められるまで、無期限に輸入・販売を禁止する命令に従うことを受け入れたことを伝えた。
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