レポート/資料

ESGリスクトピックス(2015年4月)

2015.4.1

国内トピックス2015年2~3月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介します。

<環境>
味の素など国内食品メーカー6社が、「食品企業物流プラットフォーム」の構築に合意

(参考情報:2015年2月2日付 同社HP 他)

味の素など国内の食品メーカー6社*は、多くの食品メーカーが参画できる食品企業物流プラットフォーム「F-LINE」**を構築することで合意した。各社は公正な競争を行う一方、既存の枠組みを超えた協働体制で「F-LINE」を構築し、持続可能な社会に貢献するため、食品物流問題を解決するための戦略を協働立案するとしている。

主な検討項目は以下の通り。

  • ドライ品(常温保管商品)の6社共同配送
  • 物流拠点の共同利用や高密度エリア配送***を通じた輸送効率の向上
  • 中長距離幹線輸送の再構築
  • 物流システム(受注基準、納品基準等)の標準化

食品業界においては、物流体制が企業毎に個別化していることが多く、食品業界全体で課題を解決する体制が必要となっている。「F-LINE」では、より効率的で安定した物流力の確保と業界全体の物流インフラの社会的・経済的合理性を追求することを目的とし、各企業単独では解決困難なトラックドライバー不足や行政の指導強化といった物流環境の変化に対応しながら、CO2削減などの環境保全に取り組むとしている。

<生物多様性>
キリンホールディングスが、WWFジャパンの初めての生物多様性表彰で最高賞を受賞

(参考情報:2015年2月19日付 同社HP 他)

キリンホールディングスは、WWF(世界自然保護基金)ジャパンが初めて実施した生物多様性表彰「ビジネスと生物多様性勝手にアワード」で最高賞の「百獣の王賞」を受賞した。同団体が、1,818社を対象に企業の生物多様性への取組を独自調査した結果、同社が「生物多様性保全宣言」(2010年)、「持続可能な生物資源調達ガイドライン」(2013年)を定め、スリランカの紅茶農園における持続可能な農園認証取得支援をはじめ、事務用紙や容器包装資材、一部で使用しているパーム油の持続可能性向上など、事業活動を通じて生物多様性の課題に包括的に取り組んでいることが評価された。

「ビジネスと生物多様性勝手にアワード」は、サプライチェーンマネジメントで特に原材料調達を通じて生物多様性に貢献している企業を表彰するもので、今回初めて実施。企業による応募・推薦ではなく、WWFジャパンが企業の環境報告書を基礎資料に内容を精査して選出する方法を採用したため、「勝手に」の表記を使っている。

<ハラスメント>
日本労働組合総連合会が、「働く女性の妊娠に関する調査」結果を公表

(参考情報:2015年2月23日付 日本労働組合総連合会HP)

日本労働組合総連合会(連合)が「働く女性の妊娠に関する調査」を実施し、結果を公表した。
調査は1月26日~2月2日、インターネットを通じて実施され、20~49歳の女性1,000人の回答を集計した。主な調査結果は以下の通り。

  • 1日の労働時間について、「約8時間」(43.7%)が最多となり、「9時間以上」(16.6%)も6人に1人を占める。
  • 会社側に妊娠報告をした932名のうち、「報告することにためらいがあった」と回答した割合は34.3%。その主な理由として、「職場に繁忙感があり同僚などに迷惑をかけると思ったから」(45.0%)、「職場に言いにくい雰囲気があったから」(41.9%)が挙げられている。
  • 妊娠時における職場からの勤務上の配慮については、「十分に受けられた」(45.2%)に対し、「受けられたが、十分ではなかった」(28.9%)、「出血や切迫早産などで医師の指導があるまでは受けられなかった」(6.6%)、「一切受けられなかった」(19.3%)であった。
<知的財産、営業秘密>
警察庁が、「平成26年中における生活経済事犯の検挙状況等について」を公表

(参考情報:2015年2月26日付 警察庁HP)

警察庁は2月26日、「平成26年中における生活経済事犯の検挙状況等について」を公表した。
この中で、企業などの知的財産権を侵害したとして、昨年1年間の検挙件数が574件(前年比50件増)、検挙人員も838人(前年比122人増)となったこと、また企業の営業秘密を持ち出すなど、営業秘密侵害事犯検挙件数は11件(前年比6件増)になったとしている。

同庁では昨今、社会的反響の大きい営業秘密侵害事犯発生を受けて、企業の意識が大きく変化しつつあることから、関係省庁等と連携の上、営業秘密侵害事犯に係る対処能力の向上を図ることとしている。

<コーポレート・ガバナンス>
経済産業省が、2014年度「なでしこ銘柄」を発表

(参考情報:2015年3月18日付 同省HP)

経済産業省は、東京証券取引所と共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として選定・発表する事業を2012年度より開始している。

今年度の選定企業は40社*で、三年連続で選定された企業は、東レ、住友金属鉱山、日産自動車、ニコン、東京急行電鉄、KDDIの6社であった(業種順)。

「なでしこ銘柄」は、東証一部上場企業の中から、「女性のキャリア支援」と「仕事と家庭の両立支援」の2つの視点における評価と「株主資本利益率(ROE)」をもとに選定される。2012年度は17社、2013年度は26社(いずれも33業種中)が選定されている。

「なでしこ銘柄」の制度内容詳細および選定企業一覧は、経済産業省HP参照
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/pdf/nadeshiko2015.pdf

海外トピックス2015年1~2月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介します。

<環境保全>
ユニリーバが、工場からの「埋立処分する廃棄物」の全廃を達成

(参考情報:2015年1月28日付 同社HP)

ユニリーバは1月28日、同社の保有する全世界の工場(67ヶ国、240以上の工場)から排出される廃棄物のうち、「埋立処分する廃棄物」の全廃を世界で初めて達成したことを発表した。

同社は、工場から排出される廃棄物の種類ごとに様々な有効利用法を考え出すと同時に、4つのR(Reduce、Reuse、Recovery、Recycle)アプローチを取り込み、配送用の包装材から社員食堂の残飯に至る、工場の全てのオペレーションを見直すことで、埋立処分する廃棄物の全廃を達成した。

工場から排出される「埋立処分する廃棄物の全廃」は、同社が掲げる「ユニリーバ・サステナブル・リビングプラン」に、2012年から盛り込まれた目標であり、同社は目標達成の要因は、組織全体の意識改革の集大成であり、今後は、同社のサプライチェーン全体へと本取組を広げていく、としている。

<CSR>
GRIが、サステナビリティ担当者向けに「G4試験」を開始

(参考情報:2015年2月2日付 GRI HP)

GRIは2月2日、企業のサステナビリティ担当者向けに、GRIガイドライン第4版(以下、G4)の概要及び報告プロセスに関する理解度テスト「GRI G4 Exam」を開始すると発表した。

同試験は、GRI公認トレーニングコース(日本では、経済人コー円卓会議日本委員会が運営)の受講経験者に受験資格が与えられる。

GRIは、公認トレーニングの受講、テストの受験によるG4の理解度向上を通じ、サステナビリティの分野で高いスキルを持って活動する専門家の数を増やすことで、社会の持続可能な発展につなげたい、としている。

GRI公認トレーニングコースでの学習事項概要は、以下の通り

  • サステナビリティに関する状況及びGRIについて
  • GRI G4 ガイドラインの内容
<CSR 調達>
Sustainable Purchasing Leadership Councilが、持続可能な調達に関する新たなガイダンスを発表

(参考情報:2015年2月5日付 同NPO HP)

持続可能な調達を推進する米国NPO「Sustainable Purchasing Leadership Council」が2月5日、持続可能な調達に関する新たなガイダンスを発表した。

本ガイダンスは、企業が調達する製品やサービスが環境・社会・経済の各側面でどのような影響を与えているかを把握することで、自社が理想とする(各側面での負荷が少ない)サプライチェーンを構築することを手助けするものである。

本ガイダンスは、様々な業種・地域の企業が使用可能な内容となっており、今後パイロットプログラムを通じてガイダンスの有効性等を検証したうえで、2016年を目途に企業のサプライチェーンを客観的に評価するツールを構築することを目指している。

<食品安全>
ネスレが、米国で販売するチョコレート菓子での人工香料・合成着色料の使用を中止

(参考情報:2015年2月17日付 同社HP)

ネスレは2月17日、同社が米国で販売するチョコレート菓子において、2015年末までに人工香料と(アメリカ食品医薬品局(FDA)の公認色素である)「赤色40号」や「黄色5号」等の合成着色料の使用を中止すると発表した。

同社は、自社で実施した消費者調査等によって、「60%程度の消費者にとって、人工香料や合成着色料が使用されていないことは、購入動機上で重要である」ことが判明したことをうけ、潜在的な顧客ニーズに応えるために本取組を開始した。

取組の対象は250品目・10ブランドに渡る。合成着色料の代わりに、ベニノキから抽出される「アナトー」と呼ばれる物質や、人工香料の代わりに天然のバニラ香料を使用する等、「天然素材」への切り替えを目指すと同時に、材料を変更しても従来の物と比較し、味や見た目が変わらないように、75以上のレシピを見直すとしている。

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