ESGリスクトピックス(2015年3月)
2015.3.1
国内トピックス2015年1~2月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介します。
<公正な事業慣行>
イオンがアジア初となる「国際フェアトレード認証調達プログラム」対象チョコレートを発売
(参考情報:2015年1月13日付 同社HP)
イオンは1月13日、「国際フェアトレード*認証調達プログラム」対象となるチョコレート製品の発売を開始した。
「国際フェアトレード認証調達プログラム」とは、対象となるフェアトレード認証原材料(現在は「カカオ」「砂糖」「コットン」の3種類)について、
企業が、
- 自社の製品ラインナップに幅広く使用し、一定量以上調達すること
- 中長期的な計画のもと、調達する量を増加させていくこと
をコミットすることで、当該原材料の取引拡大を目的としたプログラムである。同社はアジアで唯一、同プログラムに参加している。同社では、フェアトレード認証カカオの取引量を、2020年までに2012年度対比で10倍(カカオ豆50t相当)まで拡大することを目指している。
<営業秘密・知的財産>
特許庁が営業秘密・知財戦略相談窓口を開設
(参考情報:2015年1月19日付 同庁HP)
特許庁は1月19日、営業秘密・知財戦略相談窓口「営業秘密110番」を新設した。(独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)内)
近年の知的財産に関する企業間の紛争、模倣品被害の拡大、技術流出問題の多発などを踏まえ、企業には高度な知的財産戦略の策定や営業機密等の漏えい防止対策を講じることが求められているが、主に中小企業を中心に対策が不十分であると懸念されている。
本窓口では、主に中小企業を対象に、特許としての権利化・営業秘密としての秘匿化を含む「オープン・クローズ戦略」等の具体的な知的財産戦略に加え、秘匿化を選択した際の営業秘密の管理手法、営業秘密の漏えい・流出等に関する相談に対応する、としている。また、被害相談においては警察庁と、サイバー攻撃等の情報セキュリティ対策に関する相談については独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と連携する体制を整えた、としている。
<女性活躍推進>
厚生労働省が「働く女性の処遇改善プラン」を発表
(参考情報:2015年1月23日付 同省HP)
厚生労働省は、1月23日「働く女性の処遇改善プラン」を発表した。
本プランは、「女性が様々な分野で活躍し、働きに応じた処遇を得られる社会を実現する」ために、女性の就労上の様々な不利益・ハンディキャップを解消することを目的として、同省が実施する施策をまとめたもので、「キャリアアップ支援」、「事業主への各種労働法遵守の徹底推進」、「助成金の活用」等の内容を含んでいる。
主な内容は、以下の通り。
- 「パートタイム労働法」「労働契約法」などを集中的に周知する「均衡待遇実現キャンペーンを全国各地で実施
- (女性の割合の高い)非正規雇用労働者の働きに見合った処遇改善を推進する政策的支援
<労働慣行>
厚生労働省が「平成26年度過重労働解消キャンペーン」の実施結果を公表
(参考情報:2015年1月27日付 同省HP)
厚生労働省は1月27日、2014年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果を公表した。
本キャンペーンは、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求があった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場に対して集中的に実態調査するとともに、是正・改善に向けた指導を重点的に実施することを目的としている。
今回の実施結果によれば、重点監督対象とした4,561事業場のうち、3,811事業場(全体の83.6%)で何かしらの労働基準関係法令違反が見られた。
また、調査項目によっては「違法な時間外労働があった事業場(50.5%)」「過重労働による健康障害防止措置が不十分なため、改善を指導した事業場(55.6%)」等、半数以上の事業場で取組が不十分であるものも見られた。
<従業員満足>
Great Place to Work? Institute Japanが「2015年働きがいのある会社」ランキングを発表
(参考情報:2015年2月13日付 Great Place to Work? Institute Japan HP)
Great Place to Work? Institute Japan(株式会社はたらきがいのある会社研究所が運営する調査機関)は、2月13日「2015年働きがいのある会社」ランキングを発表した。
同機関は毎年、調査を希望した会社の「従業員」「会社」双方にアンケート形式の調査を実施し、各社の「働きがい」の評価・ランキングを行っている。
今回のランキングでは、google(1位)、日本マイクロソフト(2位)、アメリカン・エキスプレス(3位)等、が上位に名を連ねた。いずれの会社も、従業員の自主性を尊重する風土が浸透しており、「手厚いキャリアアップの機会」や、「充実した福利厚生制度」が提供されているなどの特徴が見られるという。
同機関では、従業員の感じる「働きがい」の高さは、会社に対する「信用」「尊敬」「公正」といった感情の高さと、会社での働きを通じて得られる「誇り」「連帯感」の高さに比例すると定義している。
海外トピックス2014年12月~2015年1月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介します。
<CSR>
Reputation Instituteが「2014 Global CSR RepTrak?」を発表
(参考情報:2014年12月3日 同社HP 他)
リサーチ会社のReputation Institute(以下、RI)は、2014年12月3日、世界でCSRへの評価が高い企業100社のランキング「2014 Global CSR RepTrak?」を発表した。
同ランキングは、RIが毎年調査を実施している企業ランキング「2014 Global RepTrak? 100」*を構成する7項目のうち、CSRに関わる3項目(「Workplace(職場)」、「Governance(ガバナンス)」、「Citizenship(シチズンシップ)」)のスコアの高い企業を抽出したもの。
トップ10は以下の通り。
日本企業の最高位はソニー(11位)。以下、キャノン(13位)、トヨタ自動車(16位)、本田技研工業(28位)などが選出されている。
<人権>
Fairtrade Africaが The Growing Women in Coffeeプロジェクトの開始を発表
(参考情報:2015年1月5日 Fairtrade Foundation HP 他)
開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す生産者ネットワーク組織「Fairtrade Africa」は、2015年 1月 5日、イギリスでフェアトレード*の普及活動を推進する組織「Fairtrade Foundation」と協同し、ケニアの女性自立支援を目的として、3年間の「The Growing Women in Coffee」プロジェクトを開始すると発表した。
ケニアでは、コーヒー栽培業務の70%以上を女性が担っているにもかかわらず、農地や苗木の所有者のほとんどは男性のため、女性の多くは独立して収入を得られず、労働に見合った報酬を手に入れることができないのが現状である。
このような現状等を踏まえ、本プロジェクトが組成された。取組の概要は、以下の通り。
- 150名の女性農家に対して、農園の所有権を移行し、独立して収入を得られるようにする
- 既に所有権を譲り受けた300名の女性に対して収穫量増加やコーヒーの品質向上に向けた新たな農法のトレーニングを実施する
<人権>
Electronic Industry Citizenship Coalitionがマレーシアにおける強制労働の撲滅に向けた取組を強化する方針を発表
(参考情報:2015年1月7日 同団体HP)
大手電子機器・IT企業100社以上で構成される電子業界のCSR推進団体「Electronic Industry Citizenship Coalition(以下、EICC)」*は、2015年1月7日、マレーシアにおける強制労働の撲滅のための取組を強化する方針を発表した。
マレーシアのサプライヤー工場では、ネパールやインドネシアなど周辺国からの出稼ぎ労働者に対する、人材斡旋企業等による賃金搾取や不当な労働条件管理の横行などの問題が依然として存在している。
これを受けて、EICCは、以下の取組を含む方針を発表した。
- マレーシアでの第三者機関による監査について、EICCの監査手順等に則っているかを調査する
- マレーシアにおける強制労働の撲滅に向け、同国以外の諸外国、産業界、NGO、その他のステークホルダーとも継続的に協働する
<CSR>
コカ・コーラが2014年度の「よりよい未来を創る(Shaping A Better Future)」助成金コンテストの入賞者を発表
(参考情報:2015年1月20日 同社HP)
ザ コカ・コーラ カンパニーは、2015年1月20日、2014年度の「よりよい未来を創る(Shaping A Better Future)」助成金コンテストの入賞者を発表した。
同コンテストは、同社のCSR活動の一環で、今回が2回目。グローバル・シェイパーズ・コミュニティ*のメンバーを対象とし、環境保護、市民活動、地域社会への投資、青少年の起業スキルなど、各国の社会的問題に取り組むプロジェクトのうち、優れたものを表彰し、助成金を支給するもの。
今般最優秀プログラムとして表彰されたのは、インドのチャンディーガルを拠点とする「Kalpa Vrishka(願いの木)」プロジェクトで、以下のようなモバイルアプリのネットワーク構築が評価され、5万ドルの助成金が支給された。
<サステナビリティ>
Tescoがサプライヤー向けにオンラインのコミュニティサイトをオープン
(参考情報:2015年1月20日 同社HP 他)
英国小売最大手のTescoは、2015年1月20日、同社が抱える約5,000のサプライヤー向けに、オンラインのコミュニティサイト「Tesco Supplier Network」をオープンしたと発表した。
同社の運営するオンライン上で、同社サプライヤー約5,000社が、他のサプライヤーや生産者、Tescoに直接連絡をとることが可能となる。サプライヤーは、同社の経営戦略についてより詳しく情報収集したり、エネルギーや食糧廃棄など、自社と類似する課題に取り組んでいる同業他社を検索して、情報交換することなどが可能となる。
サプライヤー、生産者、小売(Tesco)の三者が密に情報共有することで、サプライチェーン上のロスを減少し、市場により適切な商品を提供することができるようにすることが狙いとしている。
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