レポート/資料

ESGリスクトピックス(2015年2月)

2015.2.1

国内トピックス2014年11~12月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介します。

<反社会的勢力>
警察庁が企業の反社会的勢力への対応実態に関するアンケート調査結果を公表

(参考情報:2014年11月27日付 警察庁HP)

警察庁は、11月27日『「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」に関するアンケート』の調査結果を公表した。

本アンケートは、反社会的勢力からの不当要求や、それに対する企業の対応実態を調査する目的で、業種・所在地・規模の異なる企業10,000社を対象に、警察庁が日弁連などと共に2年に一度実施しているものである。

アンケートによれば、回答があった企業 (2,703社)のうち、「不当要求があった」と回答した企業は前回(2012年)の調査結果(11.7%)から、大幅に低下(4.0%)。不当要求のうち、「暴力団関係者」によるものも43%から20%に低下した。

また、不当要求の具体的な内容は、「機関紙、書籍、名簿等の購読を要求(37.4%)」、「寄付金、賛助金、会費等を要求(25.2%)」、「因縁をつけて金品や値引きを要求(23.4%)」の3つが特に多かった。

<女性活躍推進>
経団連が会員企業の「女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画」を取りまとめ公表

(参考情報:2014年12月10日付 経団連HP他)

経団連は12月10日、会員企業が策定した各社の「女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画」を取りまとめ、365社分の計画を公表した。

「2020年までに、女性管理職比率を30%にする」という政府目標が打ち出されていることを踏まえ、経団連でも会員企業 1,300社すべてに本自主行動計画の策定を呼びかけている。

策定・公表365社のうち、58%にあたる211社が女性管理職比率を高める数値目標を設けており、既に政府目標を達成している企業も2社ある。経団連では、様々な業種の事情を考慮し、単に「比率」ではなく、「人数」や「現状の何倍とする」という形での目標設定も認め、女性の活躍機会の拡大を推進する、としている。

<情報管理>
経済産業省が経済産業分野向けの「個人情報ガイドライン」を改正

(参考情報:2014年12月12日付 同省HP)

経済産業省は12月12日、「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」を改正し、同日告示・施行した。

本ガイドラインは、個人情報保護法によって定められている事業者の義務を、具体的かつ詳細に示したものだが、内部不正やサイバー攻撃等による近年の情報漏洩事件の発生を受け、同様の事案の発生を防ぐため、5年ぶりに改正された。

主な改正点は以下の通り。

  1. 第三者からの適正な取得の徹底
    ・第三者から個人情報を取得する場合には、適法に入手されていること等を確認することが望ましい旨を追記。
    ・適法に入手されていることが確認できない場合は、取引を自粛することを含め、慎重に対応することが望ましい旨を追記。
  2. 社内の安全管理措置の強化

<コーポレートガバナンス>
経済産業省がコーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会での検討を再開

(参考情報:2014年12月12日付 同省HP他)

経済産業省は12月15日、「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」での検討を再開した。

本研究会では、社外取締役の役割の整理が行われると共に、企業システムの在るべき形につき広く検討され、2014年6月に中間とりまとめとして「社外役員等に関するガイドライン」が発表された。

この度、別途金融庁と東京証券取引所の主導で開催されていた「コーポレート・ガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」における検討結果(CSRトピックスN0.10参照)や、新たな実務上または法制上の問題等を踏まえ、企業価値向上の観点から、適切なリスクテイクの後押しと、経営者の果敢な意思決定を促すための「攻め」のガバナンス体制を強化するために、検討を再開した。

12月15日の(通算)第9回目の会合で議論が再開され、今後は以下の項目について有識者による検討が進められる予定。

<環境>
パナソニックがインドネシア政府やユネスコなどと環境保護と次世代教育を開始

(参考情報:2014年12月18日付 同社HP他)

パナソニックは、インドネシアで同国政府や国連教育科学文化機関(ユネスコ)ジャカルタ事務所などとともに、環境保護と次世代教育プロジェクトを12月17日に開始したと発表した。世界遺産のプランバナン寺院遺跡群向けにLED投光器を寄贈したほか、同遺跡と世界遺産のボロブドゥール遺跡周辺地域の持続的な発展を目的に若者に教育を実施する。

これまではライトアップ用にハロゲン灯を使っていたが、LED投光器によって、約30%の省エネにつながる。消費電力削減に加え、瞬時に点灯することや、電球の交換が長期間不要になるなどメンテナンス性も大幅に高められる。

教育は、世界遺産保護の重要性についての意識を高め、文化的産業のトレーニングを通じて若者に生活設計の機会を提供することを目指す。地元関係者やコミュニティーを対象に1年間、持続可能な成長、環境技術、創造的な経済活動、自然災害軽減をテーマにした世界遺産保護に関するフォーラムや、持続可能な観光事業開発のプログラムを展開する。

<環境>
キヤノンがカーボン・オフセット制度を活用したCO2削減サービスを開始

(参考情報:2014年12月22日付 同社HP)

キヤノンは12月22日、経済産業省が推進する「カーボン・オフセット*制度」を活用した CO2削減サービスを開始した。

本サービスは、同社が販売する再生複合機「Refreshedシリーズ」を導入した企業が、当該製品を使用時に発生するCO2の排出量相当分をゼロとみなすことができるサービス。

同社は、当該製品の原材料調達から使用、廃棄・リサイクルに至る全ての過程で発生するCO2排出量を全て「オフセット」している。企業は、当該製品を新たに導入すれば、同社がオフセットした「使用」過程で発生するCO2排出量相当を自社で削減したものとして国に報告することができるようになる。

経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ削減努力(省エネの推進等)を行ったうえで、どうしても削減しきれない分については、クリーンエネルギーや、植林・森林保護等に投資すること等により埋め合わせる考え方。

(出典:環境省HPより抜粋)

海外トピックス2014年12~2015年1月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介します。

<CSR>
Green Mountain Power社が公益企業として世界初のB Corpに認定

(参考情報:2014年12月1日付 同社HP他)

米国バーモント州に本拠を置く電力会社Green Mountain Power(以下、GMP)は12月1日、社会インフラ関連等の企業として世界初となるB Corp(Benefit Corporation)認証を受けたと発表した。B Corpはビジネスを利用して環境・社会問題の解決に取り組んでいる米国のNPO、B Lab*が運営している認証制度。環境、アカウンタビリティ、透明性など同団体が定める厳しい基準を満たし、社会に良い影響を与えていると認められた企業・組織に対して認証が与えられる。認証企業は、ISO26000や「B Impact Assessment」等の既に公表されている規格や指標に沿って、自社の年間活動を自己評価し、公表することが義務付けられるものの、B Corpは営利組織と非営利組織の中間である「共益法人」とされており、資金調達方法や報酬等の面で、非営利組織に比して規制が緩やかであるという特色を有している。

現在、B Corp認証を受けている企業は世界37か国、合計1,165社。

B Lab
ビジネスを活用して社会問題・環境問題の解決に取り組む企業や起業家を支援する米国の非営利組織(CSRトピックス 2014年度第3号参照)

<労働慣行>
H&Mが ILOらと協働して、バングラデシュのサプライヤーの労働環境を改善

(参考情報:2014年12月9日付 同社HP他)

H&Mは12月9日、ILO(国際労働機関)およびSwedish International Development Cooperation Agency(スウェーデン国際開発公社、以下SIDA)との協働により、新たにバングラデシュのダッカにおいてアパレル工場労働者の労働環境・雇用環境の改善を目指すプロジェクト、Centre of Excellence for the Bangladesh Apparel Industries(以下、CEBAI)を開始すると発表した。

CEBAIの運営にあたっては、サプライヤーに対して同社が資金面・技術面の支援を行い、SIDAおよびILOが指導を行う予定。プロジェクト期間は3年で、アパレル工場で働く労働者に対して雇用能力を高めるためのスキル開発機会が提供されるほか、工場管理者らに対しては安全衛生や障がい者の雇用、労働者の人権などに関するトレーニングも展開される予定。

また、同プロジェクトではトレーニングの認証資格制度も整備される予定で、同社は認証資格が労働者の賃金向上にどのように影響するかを検証し、効果があればさらに同様の取組を拡大していくとしている。

<女性活用>
アクセンチュアが女性の就労・起業支援に向けて、Social Business Womenに130万ドルを支援

(参考情報:2014年12月10日付 同社HP他)

アクセンチュアおよびアクセンチュア財団は12月10日、ドイツで女性の自立支援事業を展開しているNPOのSocial Business Womenに130万ドルを寄付したと発表した。今後、同資金はドイツ国内の2,000人の女性に向けた就労・起業スキルトレーニングなどに充てられる予定。

同社は「Skills to Succeed」というプログラムを展開しており、2015年までに世界中の50万人に対してスキル・トレーニングプログラムを提供することを目指している。今回の寄付も同プログラムの一環として行われ、Social Business Womenに対する支援としては金銭の寄付に加えて同社社員によるプロボノ*サービスも含まれる。

Social Business Womenは地元のNPOらと協力しながら、失業中、シングルマザー、貧困など何らかの困難を抱える女性に対して就職やスモールビジネス**の創出に必要なスキルを習得するためのトレーニングを実施していく予定。

* プロボノ
様々な分野の専門家や企業実務者などが、自身の専門性やノウハウ・スキルなどを活かして、NPOや社会起業家を通じて社会貢献活動を行うこと

** スモールビジネス
様人材派遣やソフト開発などを少人数、小資金で行う優良中小、ベンチャー企業などの総称

<女性活用>
カタリストが世界20ヶ国における主要企業の女性役員の割合を発表

(参考情報:2015年1月13日付 同団体HP)

女性のキャリア推進を掲げるNPOのカタリストは、世界20ヶ国の主要企業における女性役員割合に関する調査結果報告書を、12月13日に発表した。

女性役員の割合については、欧州議会で2020年までに40%に引き上げる指令案が採択(CSRトピックス2013年度第10号参照)されているが、同調査によると、女性役員の割合は首位のノルウェーでも35.5%と、全体の約3分の1にとどまっている。2位はフィンランドで29.9%、3位はフランスで29.7%だった。

日本は20ヶ国中最下位の3.1%。18位のインド(9.5%)、19位のポルトガル(7.9%)と比べても低さが際立っている。

同団体によれば、役員に女性が多い企業は男性優位の企業に比べて優秀な社員が集まり、より革新的で財務上の業績も上がりやすい傾向がみられるという。

全文はPDFでご覧いただけます