レポート/資料

ESGリスクトピックス(2014年1月)

2014.1.1

国内トピックス2013年11月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

<女性登用>
経済産業省が「なでしこ銘柄」の選定基準を公表

(参考情報:2013年11月11日 経済産業省HP)

経済産業省は11月11日、2012年度から東京証券取引所と共同で実施している「なでしこ銘柄」のスコアリング基準を公表した。昨年度は基本的な評価の枠組み・項目の公表であったが、今年度は選定のプロセスや具体的な評価項目も開示された。

同基準は、「女性のキャリア促進」と「仕事と家庭の両立サポート」の2つの視点から、方針、取組、実績の3つの側面について、それぞれ以下の項目について評価を行う。中でも、最も重視する項目は、女性管理職比率や女性役員比率等の「女性のキャリア推進」の「実績」部分であるとしている。

Point!

「なでしこ銘柄」は、企業による女性が働き続けるための環境整備および女性人材の活用に関する取組を促進することを目的に定められたもので、本年2月に上場企業17社が選定されています(CSRトピックス2013年度第1号参照)。今回の発表は、同銘柄の選定に係るプロセスや具体的な評価項目が初めて明らかとなったものです。

<高齢者雇用>
ケア21が定年退職制度の廃止を決定

(参考情報:2013年11月15日 ケア21 HP)

介護サービス大手のケア 21は、正社員の 60歳定年制を 2014年 4月から廃止することを決定した。併せて、自らが 65歳以上の定年年齢を選択できる「自己選択定年制度」を新設し、希望すれば原則何歳になっても働ける仕組みとする。体力や能力に衰えが見られた場合は、本人と会社の間で協議し、職種変更等で対応していく予定。また、管理職は一定年齢で役職を退く「役職勇退制度」を新設し、社内における世代交代を促進する。

同社は、制度導入の検討過程において、定年廃止に伴う人件費の増加については、同社の賃金制度が仕事の内容や成果により定める職務給であることから大幅な負担にはならないと判断したとのこと。本制度により、ノウハウ・経験が豊富な高年齢者の雇用確保を進めていくとしている。

Point!

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高齢者雇用安定法)の要請に基づき定年廃止を導入する企業が増えていますが、同社では定年を廃止するだけではなく、高年齢者が自らの健康状態やモチベーションを踏まえ就業年数を選ぶことができる「自己選択定年制度」や、若手・中堅社員の昇進の機会を確保し、モチベーション維持に寄与する「役職勇退制度」を導入し、各年齢層の一層の活躍推進を志向した点が特徴です。

海外トピックス2013年11月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

<女性登用>
欧州議会が女性の社外取締役の比率を4割とする指令案を採択

(参考情報:2013年11月20日 駐日欧州連合代表部HP)

欧州議会は11月20日、欧州連合(EU)域内の上場企業(*)に対し、社外取締役に占める女性の割合を、2020年までに40%に引き上げることを義務付ける指令案を圧倒的多数で採択した(賛成459票、反対148票、棄権81票)。

欧州委員会によると、EU域内の上場企業では、取締役の91.1%、社外取締役の85%を男性が占めているという。EUは企業における男女格差を是正するため、これまでも取締役における女性の割合を40%に引き上げる目標を掲げてきたが、各国や企業の自主的な取組だけに委ねていては、なかなか改善が見られないことから、本指令案の制定に至った。

本指令案によると、上記義務付けのほか、

  • 性別の異なる候補者が同等の資格・能力を持ち、社外取締役として適任であると認められる場合には、女性候補者を優先的に採用すること
<雇用>
H&Mが 2018年までに全ての縫製工場の労働者に対する賃金改善等を計画

(参考情報:2013年11月25日 H&M HP)

スウェーデンの衣料小売大手ヘネス・アンド・マウリッツ( H&M)は 11月 25日、自社商品を製造している縫製工場の労働者に対して、適正な生活賃金を保証するためのロードマップを策定したと発表した。このロードマップに従い、次の取組の実行を関係者に働きかけるとしている。

  • 製造委託先の工場の繁忙期を平準化するために、自社の生産計画を見直す。
  • 現在カンボジアなどの 3工場をモデルケースとして検討中の賃金体系を 2014年中に評価し、 750工場・85万人に及ぶ労働者へ展開するため、製造委託先の工場の経営者に対して、2018年まで新賃金体系を導入させる。
  • バングラデシュ、カンボジアなどの政府に対して、縫製業界の最低賃金引き上げを求めるとともに、継続的な賃金改定や労働者の団結権を保障するよう、法制度の強化を要望する。
  • 製造委託先の工場の労働者に対して、教育やスキルアップの機会を提供するとともに、経営者と団体交渉を行う権利を保障する。

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