ESGリスクトピックス(2013年10月)
2013.10.1
国内トピックス2013年8月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
<コーポレート・ガバナンス>
「企業報告ラボ」がプログレス・レポートを発表
(参考情報:2013年8月23日付 経済産業省HP)
経済産業省は、8月23日、「企業報告ラボ」の1年間の活動内容と主な成果を取りまとめたプログレス・レポートを発表した。「企業報告ラボ」は、企業と投資家が企業価値の向上に向けた対話や開示の在り方を検討、調査、提案する場として2012年7月に設立されたもので、企画委員会を中心に、複数のサブグループが設立され、検討・調査等を行っている。
このうち「コーポレート・ガバナンスの対話の在り方分科会」では、日本全体のコーポレート・ガバナンスの海外に向けた発信等について検討がなされ、アジア・コーポレート・ガバナンス協会(ACGA)との意見交換等を行った。ACGAからは、「良いコーポレート・ガバナンスの仕組みを整えているにも関わらず、開示が十分では無い日本企業や、その一方で開示は素晴らしいが中身が伴っていない日本企業もある」などの意見が提示された。
また、同分科会の下に設立された「コーポレート・ガバナンス企業意識調査作業部会」では、長期的な視点を持つ投資家が投資先企業との対話で重視するコーポレート・ガバナンスの着眼点を質問項目にまとめ、実際に企業経営者へのインタビューを行った。
<労働安全衛生>
伊藤忠商事、朝型勤務のシフト等に向けた取組みを実施
(参考情報:2013年8月2日付 同社プレスリリース)
伊藤忠商事は、業務遂行の一層の効率化・社員の健康管理等の観点から、夜間残業の削減・朝型勤務へのシフトに向けた新制度を本年10月1日より開始する。主な内容は以下の通り。
<主な取組内容>
- 労働基準法で定められた深夜勤務(22:00-5:00)は、従来の「原則禁止」から「禁止」とし、22:00には完全消灯、20:00以降の勤務を「原則」禁止とする。
- 本制度の対象者(取締役・執行役員以外の全正社員(海外勤務者を含む))に対して、現在の深夜勤務(22:00-5:00)に対して支給している割増賃金(50%)を朝9:00まで拡大して支給する。
- 朝8:00前に始業した社員には軽食(同社グループが保有するDole社ブランドのバナナ・ヨーグルト等を予定)を無償で支給する。
同社は、これまでも残業時間の削減に取り組んできたものの、抜本的な改善には至っていないことから、本制度を試験的に導入するもの。2014年3月末までの半年間の効果を検証し、その後の継続判断を行う。
海外トピックス2013年8月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
インド会社法改正でCSRに関する規定が盛り込まれる
(参考情報:2013年8月20日付 インド企業省HP)
本年8月8日、インドの連邦議会上院で、CSRに関する規定を盛り込んだ会社法改正案が可決された。
本改正内容の対象となるのは、「一会計年度で純資産50億ルピー(約79.5億円)以上、売上100億ルピー以上、純利益5000万ルピー以上を計上する企業」で、概要は以下の通り。
- 対象企業は、3名以上の取締役(うち1名は独立取締役)で構成されるCSR委員会を設置しなければならない。
- 対象企業は、CSR委員会で自社のCSRに関する方針を制定し、定期的にモニタリングする義務を負う。
- 対象企業は、毎会計年度中に、直近三会計年度の平均純利益の最低2%を、同方針に従って使用する義務を負う。
役員報酬をサステナビリティに関する活動の成果と連動させる企業が増加
(参考情報:2013年8月15日付 GreenBiz.com)
近年、役員報酬を、環境問題・社会的問題など企業の持続可能性に関するテーマの活動成果と連動させる企業が増加している。
グラスルイス社(米国の議決権行使助言会社)が昨年発表したレポートでは、世界の主な上場企業にインタビュー調査を行った結果、回答企業の42%が、「サステナビリティのパフォーマンスと役員報酬とが連動している」と回答している。また、Ceres(米国の環境団体)の昨年の調査結果では、S&P100企業の10%が「サステナビリティの要素を役員賞与の評価項目に取り入れている」と報告されている。
これらの調査では、以下のような実施例も示されている。
Alcoa(アルミニウムと関連製品の製造販売・米国)
年間のCO2排出量削減目標(自社設定)の達成の有無と、役員の年間賞与の5%が連動
XcelEnergy(電力会社・米国)
再生可能エネルギー、CO2排出量削減、エネルギー効率、グリーン技術等について設定した目標の達成の有無と、最高経営責任者(CEO)の年間賞与の33%が連動
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