レポート/資料

ESGリスクトピックス(2013年1月)

2013.1.1

国内トピックス2012年10~12月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

<CSR>
ユニクロが子どもたちの未来を拓く10億円ファンド"Clothes for Smiles"プロジェクトを展開

(関連情報:2012年10月16日 同社プレスリリース、11月8日 通販新聞)

ユニクロは、CSR活動の一環として同社では初となるファンドを設立し、世界中の子どもたちを対象に社会貢献活動を展開する。本取組はプロテニスプレイヤーで同社のグロバールブランド大使でもあるノバク・ジョコビッチ氏と共同で発案したもの。ファンドの原資は今年秋冬シーズンに実店舗やネットで販売するユニクロの「ヒートテック」と「ウルトラライトダウン」の売り上げから拠出する。

ファンドの活動内容は、①ユニセフの子どもたちの教育環境の改善に関するプログラムへの支援(12年10月から5年間)②同社が展開中の国と地域から、子どもたちの夢や希望を提供することを目的とした、ファンドの活用方法に関するアイデアの一般公募(2012年10月16日~12月31日まで募集)の2種類。アイデアは、同社が展開する31カ国共通の交流サイトを通じて投稿するもので、常時投稿されたアイデアを閲覧し、コメントや「いいね!(*)」をしたり、FacebookやTwitter等に連動して書き込める仕組みとなっている。本プロジェクトでは資金をそれぞれの取組に5億円ずつ投入する予定。

<情報セキュリティ>
日本経済新聞が企業の営業秘密に関する漏洩・疑いに関する企業法務調査を公表

(関連情報:2012年12月13日 日本経済新聞、同社ホームページ)

日本経済新聞は、2012年12月13日、技術ノウハウや顧客情報などの企業の営業秘密に関する企業法務調査の結果を公表した(対象企業:326社、回答企業148社)。

調査結果によると、企業の営業秘密について、「漏洩した経験がある」と回答した企業が20%、「漏洩したと感じた経験がある」と回答した企業も15%に上ることが明らかになった。

漏洩対策について、複数回答で質問すると、「社員教育」が69%と最も多く、「入退出・コンピューターアクセス制限」、「社員との秘密保持契約」も50%を超えた。

Point!

本調査結果によると、技術ノウハウや顧客情報などの営業秘密について、漏洩またはその疑いがあると回答した企業が、合わせて35%に上ることになります。

本調査が実施された背景には、昨今、日本メーカーに勤務していた技術者を経由し、営業秘密が海外の同業他社に流出するケースへの懸念であると想定されます。内部者による情報漏洩は、漏洩者によって既存の対策が無効化されやすいため、事実上防止するのが難しいといわれています。

<雇用>
日本生産性本部がメンタルヘルスへの企業の取組に関する調査結果を発表

(参考情報:2012年11月8日 日本生産性本部ホームページ)

公益財団法人日本生産性本部の「メンタル・ヘルス研究所」は、11月8日、「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果を発表した。本調査は、2002年から隔年で実施しており2010年に続き、6回目となる。

主な結果は以下の通り。

  • 「最近3年間の『心の病』の増減傾向」は、「横ばい」が51.4%(前回45.4%)、「増加傾向」が37.6%(前回44.6%)、「減少傾向」が7.8%(前回6.4%)であった。
  • 「『心の病』の最も多い年齢層」では、40代が36.2%(前回22.3%)で、初めて最多となった。
    また、30代が34.9%(前回58.2%)、10~20代が18.8%(前回13.9%)であった。
  • 「メンタルヘルスの取り組みを通じて期待する内容と効果」については、多くの企業が早期発見・早期対応(二次予防)の効果を期待しているものの、実際に効果が出ているとの回答は、「十分効果が出ている」(1.4%)と「まずまず効果が出ている」(50.0%)と合わせても約半数であった。

海外トピックス2012年11・12月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

国連GCがスポーツイベントに関する企業の不正・汚職防止のための指針を策定へ

(関連情報:2012年11月10日 国連GCプレスリリース)

国連グローバル・コンパクト(国連GC)は、企業が大規模なスポーツイベントに協賛(スポンサー)や運営に関与する場合に、賄賂や過剰な接待等が原因で刑事罰や社会的非難を受けるリスクを避けるための留意事項をまとめた指針を、2013年秋ごろをメドに完成・公表すると11月10日のプレスリリースで明らかにした。

この指針は、贈収賄の防止を定めた国連GCの原則10(*)を実現するために、世界の主要企業や経営者組織、反汚職を掲げるNGO等で構成する「原則10に関するワーキンググループ」の下部に設けた専門小委員会で検討を進めている。

五輪やサッカーのワールドカップなどの大規模なスポーツイベントでは、例えばビジネスに関する優越的な立場や待遇、業務の受注等を求めて主催組織の役員に賄賂を贈る、巨額の資金が動くのに乗じて横領やキックバック等の不正を行う、"プラチナ・チケット"で得意先を接待する等、不正・汚職(これらの疑いを抱かせる行為を含む)を誘発しやすい。不正等が発覚した場合、イベントへの社会的関心の高さゆえに、関与した企業が厳しい社会的非難を受けるリスクが想定される。

欧州委員会が女性社外取締役の比率を4割とする指令案を発表

(関連情報:2012年11月14日 欧州委員会ホームページ)

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(欧州委)は11月14日、EU域内の上場企業(*1)に対し、社外取締役に占める女性の割合を2020年までに40%に引き上げることを義務付ける指令を発表した。取締役会における女性役員の割合については、対象企業に自主的な目標値を設定させることに留めた。本指令案は、今後、欧州議会と理事会の採択を経て成立する予定。

欧州委によると、EU域内の上場企業では、取締役の91.1%、社外取締役の85%を男性が占めている。EUは企業における男女格差を是正するため、これまでも取締役における女性の割合を40%に引き上げる目標を掲げてきたが、各国や企業の自主的な取組だけに委ねていては、なかなか改善が見られないことから、本指令案の制定に至った。

欧州委は当初、達成できなかった企業に対し、違反金や政府事業への入札参加禁止、公的補助金の対象外とするなどの制裁措置を設ける予定だったが、一部の国からの強い反対を受け、具体的な罰則の設定は回避し、加盟国が独自に制裁措置を決めることにした。

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