レポート/資料

ESGリスクトピックス(2012年10月)

2012.10.1

国内トピックス2012年8・9月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

<CSR>
王子製紙、王子ネピア、東ティモールのトイレ事情改善のためのプロジェクトを展開

(関連情報:2012年8月24日 王子製紙ホームページ、nepia千のトイレプロジェクトホームページ)

王子製紙、王子ネピアおよび日本ユニセフ協会は、開発途上国のトイレと水の問題を改善することを目的として、2008年に「nepia千のトイレプロジェクト」を立ち上げ、東ティモール民主共和国におけるユニセフの安全な水の確保と衛生管理の活動を支援を実施し、2012年度で5年目を迎えた。

2012年度は、9月~12月をキャンペーン期間とし、対象商品の売上の一部ならびにプロジェクトへの募金をユニセフへ寄付し、ユニセフが年間1,000世帯での衛生的なトイレ作り、2つの集落と近隣の小学校の給水設備の建設に加え、屋外排泄の廃止や排泄後の手洗い等のトイレの使用に関する衛生習慣の普及と定着に取り組む。

<CSR>
NECがインドで BOP層の生活改善に貢献する事業を開始

(関連情報:2012年8月28日 同社プレスリリース http://jpn.nec.com/press/201208/20120828_01.html

NECは、独立行政法人国際協力機構(JICA)が企業などのBOPビジネス(*)の事前調査を支援する「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)制度」に基づき、インドにおいてBOP層の生活改善に貢献するスマートビレッジ事業の準備調査を開始した。

本調査では、マハーラーシュトラ州やカルナータカ州などの複数の農村集落に水耕栽培設備を導入し、無農薬の生鮮野菜の生産テストを行う。

水耕栽培設備の運用に際して、同社のエネルギーマネジメントシステム(以下EMS)を用いて系統電源と自家用発電機の電力を管理することで、水耕栽培に必要な電力供給の安定化を図る。また、現地のプネ農業大学と提携し、学生を対象にOJTによる水耕栽培技術の実地訓練を実施することで、生産管理者の育成を図るなどの支援を実施していく予定。

<CSR>
大日本印刷がCSR報告書の電子書籍アプリの配信を開始する

(関連情報:2012年9月5日 同社ホームページ)

大日本印刷株式会社(DNP)は、2012年9月5日より、「DNPグループCSR報告書2012」の電子書籍アプリを、Android端末、iPhone/ipad向けに配信する。企業のCSR報告書のAndroid端末向けのアプリとしては国内初の取組み。

本アプリは、「DNPグループCSR報告書2012」全ページを電子書籍化するとともに、報告書に記載された関連情報のURLとリンクさせて、同社のCSR活動や社会貢献活動に関するトピックスの最新情報を入手できるほか、CSR活動に関する動画ニュースも閲覧できる。

Point!

本取組みは、スマートフォンやタブレット端末利用者の急速な普及に合わせて、CSR報告書の電子書籍アプリを配信する国内初の取組みです。

紙の冊子やPDFデータによる場合と異なり、①映像や音声を利用することで、自社のCSR活動に関する理解容易性が促進される点、②より多くのステークホルダーに自社CSR活動を周知徹底できる点で、参考になる取組みといえます。

<ハラスメント>
「職場の嫌がらせ」に関する、東京都への相談件数が過去最高を記録する

(関連情報:2012年8月17日 毎日新聞朝刊、東京都労働相談情報センターホームページ)

東京都産業労働局は、2012年7月、東京都の労働相談情報センターに2011年度に寄せられた「職場の嫌がらせ」に関する相談件数が、集計を始めた2006年度以降で最多の7,346件(前年より297件増)に上ったと発表した。また、同センターへ寄せられる労働相談全体に占める割合でも、過去最高の14%に達した。

「職場の嫌がらせ」の主体別に見ると、上司が64.5%、同僚が21.3%、その他が14.2%となっている。

なお、直近4年度の相談件数の推移は以下の通り。

Point!

本統計によると、「職場の嫌がらせ」に関する相談件数が、2009年以降、3年連続で7,000件を超えて推移しており、増加傾向に歯止めがかかっていません。内訳を見ると、「上司」によるものが常に最多を占める一方で、「同僚」によるものもわずかながら増加傾向にあり、単なる上司から部下へのハラスメントの問題のみではないことが伺えます。

海外トピックス2012年8・9月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

米国証券取引委員会が企業に「紛争鉱物」使用の精査・開示を義務付け

(関連情報:2012年8月22日 米証券取引委員会ホームページ、8月24日 日刊産業新聞)

米国証券取引委員会(以下SEC)は、8月22日、米国内証券取引所に上場する企業に「紛争鉱物」使用の有無の開示を義務づける規則の導入を決めた。

「紛争鉱物」とは、一般には内戦や民族対立などが発生している紛争地域(特にアフリカ中央部)で産出される鉱物資源のことを指すが、本規則では、特にコンゴ民主共和国およびその周辺地域で産出される4鉱物(コルタン、スズ石、金、鉄マンガン重石)を対象とした。同国の一部で産出されるこれらの鉱物の売却益が、同国内で対立する武装勢力の資金源となり、紛争を長引かせる原因になっているとの疑いがもたれている。また、武装勢力は、鉱物資源産出のために市民に強制労働や児童労働を強いているともいわれている。「紛争鉱物」を原料に使用する企業に対して、紛争の継続を間接的に支援するものとして批判があった。

同規則に関するSECの当初案(2010年)では、対象企業に「紛争鉱物報告書」を作成・提出させ、「使用金属がコンゴ産の4鉱物に該当するかしないか」という二者択一の開示を義務付けるものであった。

国連グローバル・コンパクトが、企業向けの水に関する情報開示ガイドラインを発表

(関連情報:2012年8月27日 CEOウォーター・マンデートリリース)

国連グローバル・コンパクト(国連GC)は8月27日、企業が自社の水使用および水に関する課題等を開示する際のガイドラインを公表した。

このガイドラインは、国連グローバル・コンパクトが水問題の解決に向けて、世界主要企業の最高経営責任者(CEO)に呼び掛け・設立した組織「CEOウォーター・マンデート」が作成したもの。企業が自社の水に関する以下のプロセスを実施するに当たって、情報開示の要素を提示している。

■プロセス
  1. ①データの収集
  2. ②ビジネスへの影響やリスクの評価
  3. ③影響・リスクへの対策の立案・実施
  4. ④上記結果の報告

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