レポート/資料

ESGリスクトピックス(2012年7月)

2012.7.1

国内トピックス2012年5・6月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

<コーポレート・ガバナンス>
日立製作所が、社外取締役の独立性の判断基準を含む「コーポレートガバナンスガイドライン」を策定・公表する

(関連情報:2012年6月7日 日本経済新聞、同社ホームページ)

日立製作所は、2012年5月10日、自社におけるコーポレートガバナンスの枠組みを示すことを目的として、「コーポレートガバナンスガイドライン」を策定し、株主・投資家向け情報として、同社HPに公表した。

「コーポレートガバナンスガイドライン」では、取締役会の役割、規模、構成、社外取締役の適性、社外取締役の独立性の判断基準等について規定している。

このうち、社外取締役の独立性の判断基準について、具体的には以下の事項に該当しないことを要求している。

第5条(社外取締役の独立性の判断基準)

指名委員会は、以下の事項に該当しない場合、当該社外取締役に独立性があると判断する。

  1. 1. 当該社外取締役の2親等以内の近親者が、現在又は過去3年において、当社又は当社子会社の業務執行取締役又は執行役として在職していた場合
<CSR>
味の素が、USAID、JICAとガーナにおける子供の栄養改善事業に共同で取り組む

(関連情報: 2012年5月31日 同社ホームページ)

米国国際開発庁 (United States Agency for International Development, USAID)、国際協力機構(Japan International Development Agency, JICA)、および味の素は、味の素がガーナ大学等と共同で開発した「KOKO Plus(ガーナの離乳食を元にした栄養サプリメント)」の同国での事業化に関する内容の覚書を締結した。

三者は同商品の販売を通じて、同国における離乳期の子供の栄養改善を実現するために共同で取り組む。日本企業がUSAIDから支援を受けて取組を行うのは、これが初のケースとなる。

【覚書で交わされた三者の主な取組事項】

味の素

  • 現地企業と共同での試験品生産の実施
  • 「KOKO Plus」の商品化と事業計画の策定等
<CSR調達>
花王の鹿島工場がパーム油の調達に関する国際的な認証(RSPO SCCS)を取得

(関連情報:2012年5月31日 同社ホームページ)

花王は、2012年3月に、同社の鹿島工場がパーム油の調達に関する国際的な認証であるRSPO SCCS(*1、2)を取得し、持続可能なパーム油を使った製品の生産・加工・販売ができる工場として認定されたことを、2012年5月31日に公表した。

パーム油の原料となるアブラヤシの実の栽培をめぐっては、熱帯雨林の伐採による生態系の破壊などが国際的な問題となっている。同社は2007年に、このような問題の解決を目的とする「持続可能なパーム油の円卓会議(RSPO)」に加盟。2011年度は、国内において購入するパーム油に関し、RSPOの認証を受けたパーム油の比率を100%とした。このような生物多様性を考慮した取組の一環として、今般、同社鹿島工場でRSPO SCCSを取得。

同社は、今後も、2015年までに、RSPOの認証をクリアしたパーム油のみを使用して、製品化することを目指す予定。

<コンプライアンス>
2011年度の下請法違反による勧告件数、指導件数が過去最高に

(関連情報:2012年5月30日 公正取引委員会ホームページ)

公正取引委員会は、5月30日、2011年度に下請法違反で指導した件数が前年度比2%増の4326件、勧告件数も20%増の18件であったことを発表した。いずれも下請法が改正され、適用業種の範囲が拡大した2004年度以降で最多となった。

勧告を受けた18件のうち、10件が食料品、衣料品等の卸・小売業者によるプライベートブランド商品(以下、「PB商品」)等の製造委託等に係るものであった。また、18件すべてで下請代金の減額が行われていた。

Point!

PB商品について下請法違反が相次いでいる背景としては、PB商品の発注が下請法の適用対象となる「製造委託」に該当することを卸・小売業者が理解しないまま、メーカーと取引を実施していることが指摘されています。

企業においては、まず自社の下請取引の実態や問題点を正確に把握し、日常業務における下請法違反予防上の留意点を整理した上で、ルール・マニュアル等に反映させ、役職員に周知徹底していく必要があります。

海外トピックス2012年5・6月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

気候変動リスクの情報開示用ガイドラインを発刊

(関連情報:2012年5月31日 米国オックスファムニュースリリース 他)

米国の社会的責任投資(SRI)運営最大手カルバート投資会社や貧困対策・環境分野の世界最大手の非政府組織(NGO)の米国支部オックスファム・アメリカなどは5月31日、ハリケーンや台風のシーズン到来を前に、企業が気候変動による自社へのリスクを定量に分析し、投資家に情報開示するためのガイドラインを発表した。

ガイドラインのタイトルは

「Physical Risks from Climate Change: A guide for companies and investors on disclosure and management of climate change into their planning and risk management」

である。

同ガイドラインでは、近年の気象状況を例に、ハリケーン・台風や大量の降雨による洪水、大寒波・熱波、干ばつ、森林火災等の被害が増加していることを示唆。特に、気候変動に伴うリスクが高いと認められる農業や食品・飲料、アパレル、電力、保険、鉱業、石油・ガス、運輸・観光の業種について、情報開示の際のチェックリストを提示している。

ファーストフード大手が、"非倫理的"方法で繁殖した豚肉の使用中止を決定

(関連情報:2012年5月31日 米ウォール・ストリート・ジャーナル=電子版記事)

米国の大手ファーストフードチェーンがこのほど、動物愛護団体から「非倫理的」「残酷」と指摘される方法で繁殖・飼育した豚肉を、商品の原料から外す方針を相次いで発表した。

米国の最大手外食チェーンのマクドナルドは5月31日、2022年までに"gestation stalls"と呼ばれる飼育法で繁殖した豚の納入を完全に中止するため、2017年までに養豚業者から同手法の撤廃の誓約を取り付ける計画を発表。"gestation stalls"とは、妊娠した母豚を一頭ずつ身動きが取れないほど狭い柵に閉じ込めて出産・繁殖させる方法をいう。限られた敷地内での飼育頭数を増やせる上、他の豚とのけんかも防ぐことができる、繁殖を効率化できるなどの理由で、採用する養豚農家が多い。しかし、母豚の行動を束縛することに批判も多い状況にある。

一方、外食大手のバーガーキングは今年4月に、上記飼育法の豚肉および狭いゲージで飼育した雌鶏による鶏卵も2017年までに原料から外す方針を発表している。

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