レポート/資料

ESGリスクトピックス(2012年4月)

2012.4.1

国内トピックス2012年2月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

<リスクマネジメント>
東京都が大規模な帰宅困難者訓練を実施

(関連情報:2012年2月4日 毎日新聞 他、東京都ホームページ)

東京都は、2月3日に主要ターミナル駅やその周辺などを会場とした帰宅困難者対策訓練を行った。

東日本大震災により多くの帰宅困難者が発生した状況を踏まえ、行政と民間事業者を中心に社会全体で取り組む一連の対策の検証とともに、訓練を通じて都民への意識啓発を図るものとしている。

一斉帰宅の抑制、正確で迅速な情報提供、一時滞在施設への円滑な誘導、安全確保後の帰宅支援などの訓練が行われた。

Point!

訓練では、エリアメール、エリアワンセグ、大型ビジョン等のデジタルサイネージ、SNSなど多様な手段による情報提供が試みられました。

<CS・苦情対応>
テレマーケティングジャパンがソーシャルメディアを活用したCS向上支援サービスを開始

(関連情報:2012年2月8日付 日刊産業新聞、同社ホームページ)

ベネッセグループで、コールセンター運営などを行うテレマーケティングジャパンは、Twitterなどのソーシャルメディア上に集まる顧客の声を活用し、企業のサービス改善やCS向上につなげていくためのサービス提供を開始すると発表した。

具体的には、①主にTwitter上のツイートを継続的に収集、分析し、定量的かつ定性的に分析したレポートを提出する「ソーシャルリスニングサービス」、②ソーシャルメディア上で顧客が発したつぶやきに対し、企業への問い合わせにつながる前に能動的に回答を行うことで、不満や疑問を解消する「アクティブサポートサービス」の2つである。

Point!

本サービスは、年々ユーザー数が増加するソーシャルメディアという媒体に着目し、同メディア上の情報収集・分析を通じて、企業のサービス改善やCS向上の支援を行うものです。

<CSR>
オムロンが「誠実な企業」賞 2012-Integrity Award-最優秀賞を受賞

(関連情報:2012年2月17日付 日刊工業新聞、同社ホームページなど)

オムロンは、2012年2月17日、SRI(社会的責任投資)ファンドへの投資助言を行うインテグレックスが主催する「誠実な企業」賞(*)の2012年の最優秀賞を受賞した。

インテグレックスによると、受賞企業選出にあたっての視点は、以下の通りである。

  • トップマネジメントのコミットメントが高い
  • 企業理念の浸透と推進に熱心に取り組んでいる
  • トップ自らが発信をし、社内の意識の共有と向上に努めている
  • 企業のインテグリティを支えるマネジメントシステムが構築されている
  • 事業活動の中で、企業の社会的責任を果たしている

オムロンのHPによると、今般の受賞理由について、「"企業は社会の公器である"との企業理念を掲げ、トップ自らがグローバルレベルでその浸透と推進に熱心に取り組み、グループ内の意識の共有と向上に努めていることや、国際的なイニシアティブに参加して日本企業の中で中心的な役割を果たしていることなどが、CSRの観点から高く評価されたものです。」としている。

海外トピックス2012年2・3月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

欧州委員会が女性役員登用義務化に向けて検討を開始

(関連情報:欧州委員会ホームページ http://ec.europa.eu/news/justice/120305_en.htm

欧州委員会は3月5日、上場企業に対し一定の割合の女性役員の登用義務化の法整備に向けた市民・企業からの意見収集の開始を発表した。今年5月末まで、意見を収集し、今年後半をめどに法案が提出される見込み。

欧州委員会では昨年、上場企業に対し、女性役員の割合を2015年までに30%、2020年までに40%に引き上げるよう努力義務を課していたが、2012年1月時点での女性役員比率は、約14%にとどまり、約12%だった2010年から伸び悩んでいた。

一方、フランス、ベルギー、イタリアなどでは、すでに女性役員の登用義務化が行われており、EU圏内の各国に上場している企業は、国ごとに異なる対応が必要な状況にあった。

こうした背景からEU全域を対象にした共有の制度の整備が求められていた。

ヒューレット・パッカードがマクドナルドの難病児童支援活動をサポート

(関連情報:同社 eSimlesホームページ)

米IT大手のヒューレット・パッカード(HP)は2月14日、米外食チェーン最大手マクドナルドが展開する社会貢献活動である「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の活動をサポートすると発表した。

ドナルド・マクドナルド・ハウスとは、難病治療のため自宅から離れた病院に入院する子どもやその家族への支援活動で、子どもに付き添う家族が低額で滞在できる宿泊施設を病院付近に建設し、提供するもの。これまでに世界30カ国で300カ所以上を設置している。

HPは、ドナルド・マクドナルド・ハウスのサポート専用のホームページ「eSimles」を開設。このホームページで、励ましのメッセージや写真等を入力すると、各ハウスに設置された同社プリンターから印刷される仕組み。同時に、メッセージ等が1件入力されるごとに1米ドル、最高1万ドルまで指定のハウスに寄付するという。

ナイキが無水染色技術の量産利用を目指した戦略的パートナーシップを発表

(関連情報:米国ナイキ社ホームページ
http://nikeinc.com/press-release/news/nike-inc-announces-strategic-partnership-to-scale-waterless-dyeing-technology

スポーツ用品世界最大手のナイキ(米国)は、2月7日、無水生地染色機を商業用に初めて開発・製造したオランダのダイクー・テクスタイル・システムズと無水染色による生地の大量生産に向けたパートナーシップを締結したと発表した。

この無水生地染色は、二酸化炭素を使用して生地に染色する技術で、生地染色の工程で水を一切使わないことから、以下のようなメリットがあるといわれる。

  • 従来型の生地染色では1kgの生地素材を加工するのに、平均で100~150.の水が使われるが、この技術による生地の量産が可能になれば生地染色に水が不要となる
  • 染色過程で大量の水を加熱するためのエネルギー消費量を削減できる
  • 染色で生じる排水がなくなり、環境負荷が低減する
  • 染色時に化学薬品の添加が不要なため、着用者の化学物資による過敏反応を抑えることができる
温室効果ガス削減の報道発表に、株価引き上げ効果を認める研究結果が発表される

(関連情報:2012年2月6日付 GreenBiz2012記事)

「企業による温室効果ガス(GHG)排出量の自主的な報道発表は、自社の株価を引き上げる効果がある」とする研究結果を、米国カリフォルニア州立大学デービス校のポール・グリフィン教授が2月6日、発表した。

同教授らの研究チームは、2000年から2010年の10年間に米国の有力なCSR関連サイトで発信された報道発表約1万9000件を対象に、「温室効果ガス」や「二酸化炭素排出量」「CO2排出量」のキーワードで検索。検索で抽出した米国企業84社・172件について、発表後の発表元企業の株価の値動きを分析した結果、平均で約0.5パーセント上昇していた。

特に上昇効果が顕著に出たのは、比較的小規模な企業で、平均2.32パーセントだったという。同教授は、この上昇の理由を「発信する情報量が少なく、投資家にとって売買の判断材料が乏しい小規模企業ほど、報道発表のインパクトが大きい」と分析している。

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