ESGリスクトピックス(2012年2月)
2012.2.1
国内トピックス2011年12月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
<社会貢献>
コナミデジタルエンタテインメントが社会貢献性を取り入れたゲームを配信
(関連情報:2011年12月1日 日刊工業新聞、同社ホームページ)
コナミデジタルエンタテインメントは、WFP(国連世界食料計画)と共同で、世界の飢餓の現状や食糧支援活動を学べるソーシャルゲームをフェイスブック上で全世界に向けて配信した。
同ゲームは、ソーシャルゲームの特性を活かして、友人などとコミュニケーションをとりながらWFPの一員として食料調達や配送を行い、世界を飢餓から救うという内容。また、ゲーム上で販売するアイテムの収益の一部は、WFPの食糧支援活動に寄付される。
Point!
本件は、国際社会における課題の一つである飢餓問題について、ソーシャルゲームという新たな媒体を活用し、飢餓問題に関する情報発信と支援の呼びかけを行うものです。WFPにとっては幅広い消費者へのアプローチが可能となりますし、企業側にとっては、自社の事業活動において蓄積したノウハウ、マーケットを活用することで、事業として収益をあげつつ、社会貢献も実現できます。
<コーポレートガバナンス>
東京証券取引所が独立役員に関する情報開示制度などを見直す方針を明示
(関連情報:2011年12月20日 日経新聞、同社ホームページ)
東京証券取引所の斉藤社長は、2011年12月20日の定例記者会見で、上場会社の経営者による不祥事件が相次いだことを受け、国内外の投資家の不信感を払拭し証券市場の信頼回復を図るため、コーポレートガバナンスに関する制度の見直しを進める考えを示した。
見直し案の1つとして、例えば、独立役員の独立性について、以下のように外観上一定の疑いがあるような場合について、株主や投資家に向けて、情報開示を求めるなどの対応を検討するというもの。
- 上場会社間で相互に役員を派遣しあっている場合
- 資金面で結びつきがある企業や団体から役員が派遣される場合
今後、具体的な対策案を取りまとめて、パブリック・コメントの手続に付す予定。
<CSR>
キャノンマーケティングジャパンが顧客向けCSR活動支援サイト「CSRナビ」を開設する
(関連情報:2011年12月21日 日刊工業新聞、同社ホームページ)
キャノンマーケティングジャパンは、12月26日、同社グループのCSR活動のノウハウやソリューションの提供を求める顧客の要望に応えるため、同社グループのCSR活動を紹介するサイト「CSRナビ」を開設した。
同サイトは、「コンプライアンス」、「情報セキュリティ」、「環境」の3つのカテゴリーに区分され、それぞれのカテゴリーごとに、同社グループの取組事例や取組に使用した製品、サービスおよびソリューションが紹介されている。また、各社のCSR活動の現状を振り返るための「チェックシート」をカテゴリーごとに設けている。
例えば、「環境」に関する「チェックシート」では、「Q.あなたの会社では利用可能な「環境技術」の導入を検討し、製造工程などのあらゆる事業活動において『エネルギー効率の向上』を目指していますか?」という質問に対し、「No」と回答すると、エネルギーの利用状況の見える化を通じた無駄の洗い出しの重要性を提言し、自社グループの取組事例やエネルギーの見える化に役立つサービスが表示される。
<CSR>
ヤマダ電機がCSRの国際組織に参加
(関連情報:2011年12月26日 日経MJ、同社ホームページ)
ヤマダ電機は、サプライチェーンの環境・社会面に関するコンプライアンス体制を適切に管理していくための業界を超えた国際的な取組である"Global Social Compliance Program"(以下、GSCP)に日本企業として初めて参加したと発表した。
GSCPはグローバルサプライチェーンにおいて、労働および環境状況を継続的に改善することを目指しており、世界の小売業や製造業が参加し、業界の垣根を越えてナレッジやベストプラクティスの共有を行っている。
Point!
同社がGSCP参加を決めた背景には、自社の海外進出や調達先のグローバル化に伴い、コンプライアンスの徹底のために、それぞれの国・地域の特性を踏まえたノウハウが求められる現実に対応したものと推察されます。海外においては、法令や商慣習、文化の違いなどにより、国内において自社が進めてきたコンプライアンスの取組がそのまま適用できない場合もあり、GSCPに蓄積・共有されているベストプラクティスを参照することは有益と考えられます。
海外トピックス2011年12月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
欧州委員会が新CSR戦略を発表
(関連情報:http://ec.europa.eu/enterprise/policies/sustainable-business/files/csr/new-csr/act_en.pdf)
2011年10月25日、欧州委員会はEUの新しいCSR戦略(A renewed EU strategy 2011-14 for Corporate Social Responsibility)を発表した。EUの新成長戦略(EU2020)や経済危機への対応、ISO26000等、EUをめぐる内外の環境変化、加盟国ごとで異なるCSR政策の調整などの必要性から策定されたもので、2001年以来となる。
この新戦略の策定では、CSRを「企業の社会への影響に対する責任」と定義し、企業は、①事業活動が社会に与えるマイナス影響を特定し、防止、軽減するとともに、②株主やその他のステークホルダー、社会とで共有できる価値を最大限に生み出すことが求められると言及している。
さらに、新戦略では、欧州におけるCSRの推進を目的に、2014年までの以下の8つの政策を提示した。
コカ・コーラがプロダクト(RED)との提携を発表
(関連情報:http://www.thecoca-colacompany.com/dynamic/press_center/2011/12/red-partnership.html)
2011年12月1日、コカ・コーラ社(米国)は、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)を支援する"(PRODUCT)RED"との間で複数年にわたる提携を発表した。
"(PRODUCT)RED"は、世界的な消費財メーカーが共通ブランドの商品を開発・販売し、その収益の一部を世界基金に寄付することで、2015年までにHIVの母子感染の事実上の廃絶を目指すプロジェクト。既に、アメリカンエキスプレス、モトローラ、GAP、ナイキ、アップル・コンピューターなどが提携している。
今回の提携で、同社は、(PRODUCT)REDブランドの名で商品を開発・販売し、その収益の一部について、今後4年間に500万米ドル以上を拠出することを合意。拠出金のうち、最低300万米ドルは直接世界基金に寄付されて、抗レトロウイルス薬の購入や感染予防のための情報提供に使わる予定。
米製品試験機関ULが持続可能性の認証プログラムを開始
(関連情報:UL Environment社ホームページ等)
製品の安全性や機能の標準化・規格化や評価試験を実施する米国の非営利組織UL(UnderwritersLaboratories)の関連組織で、製品の環境性能の評価・認証を行うUL Environmentは12月6日、製造業者を対象に企業活動を持続可能性の観点で評価・格付け・認証する「SustainabilityQuotient(SQ)Program」(持続可能性指数プログラム)の提供を開始すると発表した。
このプログラムは、「UL880:製造業者の持続可能性」と「UL881:サービス業の持続可能性」(現在策定中)の2つの持続可能性に関する規格をベースにしたもの。いずれの規格も、各業種において、持続可能性の定義の具体化や企業・組織の持続可能な取組の促進、関連監査・報告等の標準化等を目的にしている。
同日にリリースされたUL880では、「ガバナンス」「環境取組」「労働力」「顧客とサプライヤー」「地域社会とのつながりと人権」の5つのテーマを設定。それぞれのテーマについて、「関連の基礎データ」「取組方針と手法」「成果」「報告」の4つの項目から評価する。
非営利組織は「社会変革の旗手」だが、寄付の動機は低調との英米調査結果
(関連情報:フェントン・コミュニケーション社 12月8日付 プレスリリース)
英米両国人が「望ましい社会変革の旗手」として「メディア」や「企業」よりも「非営利組織・慈善団体」を最も期待・信頼する一方で、それらへの寄付の機運は例年よりも低調であることが、12月8日に公表された調査結果で明らかになった。
調査は、カナダの国際的な世論調査会社のグローブスキャンや米PR会社のフェントン・コミュニケーションが、英米両国で過去1年間に一定額(約1500円相当)以上寄付した18歳以上の約2200人を対象に実施した。
それによると、「望ましい社会変革の実現に貢献する主体」に、「非営利組織/慈善団体」を挙げた回答が英米ともに最も多かった(英41%、米55%)。以下、「メディア」(英36%、米29%)、「中央政府」(英27%、米19%)、「地方政府」(英24%、米22%)と続いた。「営利企業」は、英国が5位(20%)の一方、米国は2位(32%)となり、国により大きな差が出た。
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