レポート/資料

ESGリスクトピックス(2011年11月)

2011.11.1

国内トピックス2011年9~10月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

<CSR>
NECがCSRレポートでISO26000に基づくステークホルダーレビューを掲載

(関連情報:2011年9月1日 同社ホームページ)

NECは、CSRに関する2010年度の活動と成果をステークホルダーへ報告するため、「NEC CSRレポート2011」を発行した。

今回のCSRレポートでは、新たな取組として、2010年11月に発行された組織の社会的責任に関する国際規格ISO26000に基づくステークホルダーレビューを掲載している。

これは、NECグループと民間の非営利組織「CSRレビューフォーラム」(*)とが、およそ6ヶ月間、ISO26000を踏まえて、同社グループのCSR活動について対話およびレビューを行い、その結果を要約したものを「ステークホルダー意見書」として掲載したもので、同社グループのCSR経営や、ISO26000の7つの中核主題への取組について、「CSRレビューフォーラム」より意見が述べられている。

同社は、「CSRレビューフォーラム」より述べられた意見を参考に、今後のCSR施策を策定していくことを約束している。

<RM(震災対応)・雇用>
ユニ・チャームがサマータイム制度を延長・拡充する

(関連情報:2011年9月9日 同社ホームページ)

ユニ・チャームは、東日本大震災に伴う電力不足を受けて5月より導入したサマータイム制度(*)の実施期間を、当初の9月30日までから2012年3月30日まで延長すると決定した。同社は通年での適用も視野に入れて検討している。

また、同制度の適用対象は主に本社スタッフであったが、これまでの実施により、業務の効率向上、残業時間の短縮などの効果が認められたことから、営業部門なども含めて全社的に適用を拡大することも決定した。

なお、子女の保育所等への送り迎えや、家族の介護等で対応が困難な社員は、その旨を申請して適用除外を可能としている。

(*)9時から17時50分までの就業時間を1時間早め、8時から16時50分までとするもの。

Point!

本取組は、今夏の電力不足対策の一環として導入したサマータイム制度の効果を踏まえ、実施期間・適用対象の拡張を図るものです。

<RM・危機管理>
「新型インフルエンザ対策行動計画」が改定される

(関連情報:2011年9月20日 内閣官房ホームページ)

政府は、新型ウイルスが発生した2009年4月以降の教訓や反省を踏まえて「新型インフルエンザ対策行動計画」を改定した。

主な改定ポイントは、病原性が高い新型インフルエンザの発生・流行に備え、医療・社会機能維持等の対策強化と病原性・感染力の程度に応じた対策を採用するというもの。

2009年に新型インフルエンザが流行した際、重症化する患者が少なかったにもかかわらず、高い病原性を前提とした対応が取られるなど、硬直的な対応になってしまった点を反省したもの。病原性・感染力の程度を見極めた上で柔軟な対応を目指している。

Point!

政府は、今回の改定にあたり、インフルエンザの流行を「危機管理上の大きな課題」と位置づけています。しかし、多くの国内企業では、一昨年の大流行時においても、経営への重大な影響や事業継続が不可能になるケースは稀でした。そのため、より病原性の高い新型インフルエンザへの備えが道半ばとなっている企業が少なくありません。

<RM・危機管理>
東京都港区で帰宅困難者対策を企業に求める条例が成立

(関連情報:2011年10月17日 港区ホームページ)

東京都港区は、大規模災害時の帰宅困難者対策として、企業に対して、従業員の帰宅を抑制し、事業所に留めることや、帰宅困難者の支援を求める条例を制定した。

東日本大震災の際に企業の従業員が一斉に徒歩帰宅を始め、同区の主要な駅や幹線道路に人が集中し、大きな混乱が生じたことを踏まえたもの。

発生が危惧される首都直下地震では、さらに大規模な帰宅困難者が発生すると予想されるため、区内の企業に対し、自社従業員への対応に留まらず、地域の帰宅困難者への支援も想定した物資の備蓄を求めている。

Point!

本件は、東日本大震災の経験を踏まえて、行政だけでは解決が困難な帰宅困難者対策について、周辺企業の協力を求めるものです。今後他の自治体でも同種条例の制定が想定されます。

海外トピックス2011年8~10月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。

ISOとGRIが協力強化の覚書を調印

(関連情報:2011年10月4日 GRIプレスリリース)

CSRの国際的ガイドラインISO26000(社会的責任の手引)を発行する国際標準化機構(ISO)とCSR報告書の世界で最も代表的なガイドラインを発行するグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)は9月5日、両者間の協力強化で覚書を調印した。

覚書によると、両者は、持続的発展に関する情報開示およびベンチマークのツールとしての普及を連携して促進する。具体的には、両者のそれぞれの活動に関する情報共有や他のCSR推進団体・組織との連携促進、CSR関連指針・規範の新設・改定作業への参画、宣伝・普及策等を共同で実施する。

Point!

GRIは、ISO26000の発行直後(2010年11月)に、同規格の内容を踏まえGRIガイドラインを活用してCSR報告書を作成するための手引きを発行しています。今回の覚書は、連携をさらに強めて、CSR報告書の代表的なガイドラインとしての位置づけをより強化するためと考えられます。

米ティンバーランドが、ブランド向上を目指した新CSR目標を発表

(関連情報:同社2011年8月1日付 プレスリリース)

米国のアウトドアウェア大手のティンバーランドは8月1日、新たなCSR目標を発表した。CSRの目標を設定するテーマを拡大し、達成レベルも引き上げる。さらに、同社のホームページに目標の進捗を定量的データで公表するサイトを新設した。挑戦的な目標設定による取組レベルの高度化と情報開示の充実により、「アウトドアのナンバーワンブランド」(ニュートン同社副社長)を目指すという。

新目標では、「気候変動(Climate)」「製品(Product)」「製造工場(Factories)」「地域社会(Service)」の4つのテーマを設定。各テーマに複数のカテゴリーを設定し、それぞれで定量的な目標および実績を開示している。

各カテゴリーの内容も従来に比べて高度化している。例えば、製品では、従来は再生可能製品のシェア拡大を目標としていたものを、「Cradle to Cradle=ゆりかごからゆりかごへ」(生産・使用中・使用後のすべての製品ライフサイクルで、廃棄物や有害物の排出ゼロを目指す)のコンセプトを採用し、いっそうの環境負荷の低減を志向。

コカ・コーラが中国における雇用創出と教育支援を実施

(関連情報:コカ・コーラ(米国)HP http://www.thecoca-colacompany.com/dynamic/press_center/2011/08/company-invests-us4-billion-in-china.html

8月18日、米国の飲料最大手コカ・コーラは、中国国内で同社製品を製造販売する太古飲料有限公司と中糧可口可楽飲料有限公司が中国国内に新たな3工場を新設すると発表した。投資総額は約2億3000万米ドル。工場の新設で、中国国内で新たに直接雇用940人と間接雇用9400人を生み出すという。すでに中国国内では40を超す工場を運営し、4万8000人以上の雇用を創出している。

また、同社は同日、四川大地震で大きな被害のあった地域において中国で100校目になるコカ・コーラプロジェクトホープ校の開校を発表した。コカ・コーラプロジェクトホープは、中国国内において開発が遅れている地域や災害に見舞われた地域に対して、学校建設による青少年の学習環境の提供を目的にしたもので、過去18年にわたり10万人を超す学生の就学環境の改善がなされたという。

KFC、ピザハットなどが全世界の店舗で「飢餓救済」キャンペーンを一斉展開

(関連情報:ヤム・ブランズ HP http://www.yum.com/company/pressreleases/092311.asp

KFC(ケンタッキーフライドチキン)、ピザハット、タコベルの親会社で世界最大の外食チェーン運営会社の米ヤム・ブランズは、9月23日、今年度の「世界飢餓救済」キャンペーンを開始したと発表した。2007年から開始し、今年で5回目となる。

KFC、ピザハット、タコベルの110カ国・3万8千店舗で、100万人を超える従業員とフランチャイズ加盟店が参加。飢餓に関する意識を高め、ボランティア活動を推進するとともに、世界食糧計画(WFP)やその他の飢餓救済機関への資金を募る。

具体的には、同社および同社グループ各社の広告や広報、ホームページ、店舗内のポスター等を通じて飢餓問題の意識向上を図り、約5000万ドル相当の募金を集める予定。また、同社とフランチャイズ加盟店の従業員が、世界中の飢餓救済機関、無料食料提供所などでボランティア活動を行い、募金活動を開始する。

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