ESGリスクトピックス(2011年6月)
2011.6.1
国内トピックス2011年2・3月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
<CSR>
NECが備蓄米を寄付金にかえる社会貢献活動で国連WFPから感謝状
(関連情報:2011年2月3日 同社ホームページ)
NECは、消費期限を迎える災害用備蓄米を社内食堂で提供し、その売上の一部を寄付する社会貢献活動に取り組んだことで、今年2月に寄付先であるWFP国連世界食料計画(以下WFP)から感謝状を贈られた。
同社では、備蓄米のうち賞味期限半年前を切ったものについて、昨年8月から本年2月まで本社および3つの事業場の社内食堂で提供し、1食あたり40円をWFPの「学校給食プログラム」に寄付した。これは半年間(約120日)続けることで、飢餓に苦しむ国の子ども1人の学校給食を1年間提供できる金額(5,000円)であるが、上記期間での寄付額は最終的に約300万円となったという。
Point!
企業等における備蓄品のライフサイクルマネジメントが注目されています。特に飲料・食品は賞味期限を過ぎてしまうと大量に廃棄せざるを得ない中、適正な廃棄や廃棄コスト削減等を考えなければなりません。
<CSR>
NECがNPO法人の活動に支援・協力できる社員ボランティア(プロボノ)を募集する
(関連情報:2011年2月17日 同社ニュースリリース 他)
NECは、NPO法人「ブラストビート」の活動に支援・協力できる社員ボランティア(プロボノ(※))を募集すると発表した。
「ブラストビート」は、元々アイルランドで始まった活動で、高校生らが「ミニ音楽会社」を立ち上げてライブの企画などを行い、利益の25%以上を寄付する。ビジネスの仕組みやリーダーシップなどを学びつつ、社会貢献も体感できるというもの。(同法人HP参照:http://blastbeat.jp/)
NECでは、社会人としての広い視野・視点で、本活動を行う高校生や大学生等にアドバイスを行う「メンター」を、グループ社員より募集し、具体的な支援を行っている。
同社では2002年より、「食」「教育」「貧困」などの社会的課題に取り組む若手社会企業家を支援するプログラム「NEC社会起業塾」を実施しており、本件もその一環。
本件を通じて、社会起業家への関わり・支援機会の創出、社会変革(教育イノベーション)の現場への参画により、生活者視点からの感覚を磨き、また学びや気づきを通じて、新たなサービスやソリューションの創出を促すことを目的としている。
<CSR>
ファーストリテイリングと国連難民高等弁務官事務所がグローバルパートナーシップ締結へ
(関連情報:2011年2月23日 同社ホームページ)
ファーストリテイリング(以下、FR)は、国連難民高等弁務官事務所(以下、UNHCR)と、難民・避難民問題の解決に向けた連携を一層強化するため、グローバルパートナーシップの締結について合意した。
本合意による具体的な取組として、以下の事項を予定している。
- ① FRが、UNHCRから提供されるニーズを元に、同社リサイクル活動で回収した衣料を寄贈する国の範囲を拡大する。
- ② UNHCRがFR従業員をインターンとして受け入れる。インターンシップ後は、UNHCRで培った経験をFR内にフィードバックする。
- ③ FRが、日本で難民として受け入れられた人々にユニクロ店舗でのインターンシップを実施する。職業経験の場を設けることで、難民の自立支援につながる活動を目指す。
<CSR>
ロート製薬が震災孤児支援のための「震災復興支援室」を新設
(関連情報:2011年3月25日・31日 同社ホームページ)
ロート製薬では、東日本大震災による震災孤児支援のための「震災復興支援室」を3月25日付で新設した。
同社では、被災地支援として義援金の寄付や医薬品提供などにも取り組んでいるが、長期的視点で支援を行うため、同室を設置した。メンバーには社内からの数十人の応募者の中から、福島市出身の女性社員も含め、6名が選ばれた。
同室の重点課題として、同社のCSR活動の方針である「次世代支援」の実現に向け、震災孤児の長期的な生活と勉学の支援を行うという。
また、震災復興に本格的、継続的に取組むにあたり、本年4月より1年間、取締役の月例報酬の10%を危機対応にあてるという。
海外トピックス2011年2・3月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
国連が企業における人権取組の指針を公表
(関連情報:ビジネス&ヒューマンライツ・リソースセンターHP http://www.business-humanrights.org/SpecialRepPortal/Home)
国連は3月24日、企業が事業活動において人権侵害につながるリスクを明示・防止するための指針のドラフトを公表した。国連総会の下部機関で、人権の保護や啓発促進、人権問題への対応を行う国連人権理事会が6月の会合で本指針を承認し、国連の正式文書となる予定。
本指針では、国・政府、企業、ステークホルダーの各主体について、人権の保護・尊重・回復の各側面からそれぞれの果たすべき役割を明示している。特に、企業については、人権尊重に関する取組の内容や開示方法を提示するほか、企業活動が人権侵害の原因となるか、または悪化させるリスクを提示する。一方、ステークホルダー向けには、企業の人権尊重取組を評価するためのベンチマークを提供する。
本ドラフトでは、主体ごとに「基本原則(Foundational principles)」「実務原則(Operational principles)」で構成。それぞれについて、「人権の尊重と侵害回避のコミットメントの表明」や「自社業務における人権侵害リスクの洗い出し」等、行動の基本原則を提示している。
CSR関連の情報開示、多くのCEOがステークホルダーの期待とのギャップを認識
(関連情報:PwCホームページ http://www.pwc.com/us/en/corporate-sustainability-climate-change/publications/creating-value-from-corporate-responsibility.jhtml)
米監査法人大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は本年2月2日、「グローバル企業の経営者の多くが、CSR報告書に対するステークホルダーの関心の高まりを感じている一方で、掲載データ等の正確性・信憑性を高める取組を十分行っているとはいえない」との現状認識を掲載した報告書(原題:Creating Value from Corporate Responsibility)を公表した。
同報告書は、PwCが今年、69カ国の主要グローバル企業の最高経営責任者(CEO)1200人を対象に実施した意識調査の結果に基づいて作成した。それによると、調査対象の約半数が、「持続可能性やCSR関連の取組に関する企業の発信データ・情報がステークホルダーの期待に十分に応えていない」と認識していると指摘。その理由として、消費者が商品購買判断の際に企業の環境や社会的責任の取組をいっそう重視する傾向にあることや、80以上の米企業が"もの言う株主"から環境等の持続可能性に関連する課題や商機について情報開示の充実を求める株主提案を受けた等の事実を挙げている。
水の利用状況に関する情報開示の改善に向けて投資家と企業間で合意
(関連情報:http://www.ceres.org/Page.aspx?pid=1343 http://www.socialfunds.com/news/article.cgi/3176.html)
セリーズ(※1)は2月16日、米国の電力会社3社に対して水利用に関する情報開示の改善を求めた株主提案について、経営陣と合意に達したと発表した。この株主提案は、セリーズが主催するプロジェクト「気候変動リスクに関する投資家ネットワーク(INCR)」に参加した投資家が実施したもの。本株主提案の理由として、セリーズは、「長引く旱魃(かんばつ)、水需要の高まり、気候変動による水不足について関心が高まり、水の使用量が多い電力会社に対しての非難が背景にある」と説明している。
3社との合意内容は以下のとおり
- ① サザン・カンパニー社(Southern Company)
水の管理方針、発電所ごとの水消費量の開示、水の排出量、サプライチェーンも含めた水の利用・管理に関して顕在化する可能性のあるリスクを開示すること
エクソンモービルが発展途上国の女性の活動支援に助成金600万ドルを支出
3月10日の「国際女性デー」に合わせ、エクソンモービルとエクソンモービル基金は、世界各国の女性の経済的自立を支援するための助成金を600万ドル提供すると発表した。非政府組織(NGO)や地方自治体等と連携し、発展途上国等における女性の生活水準向上や経済的自立を支援する活動に支出される。
同グループは過去6年間にわたり4700万ドルを拠出しており、以下の取組に活用されている。
- 乾季の間(年間6ヶ月)でも作物を育てることを可能にする灌漑技術の提供(ベナン)
- 作物の収穫量を向上させる農業技術を活用するための訓練(ガーナ)
- 日没後の生産性の向上を目的とした太陽光ランタンの提供(インドネシア)
- 発展途上国の1万1000人以上の女性に対する職業訓練、指導支援、ネットワーク形成の機会の提供
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