ESGリスクトピックス(2011年3月)
2011.3.1
国内トピックス2011年1月に公開された国内のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
<CSR>
日立ビジネスソリューションが情報モラル教育を中学校にて実施
(関連情報:2011年1月21日 日刊工業新聞、同社ホームページ)
日立ビジネスソリューションは、CSR活動の一環として、2010年11月24日および12月1日に、横浜市内の中学校で、ITの「光と影」を伝える情報モラルに関する授業を行った。
ITの「光」を伝える授業では、「ITでどう便利になったか」「未来の携帯電話がどうなるか」についてグループ討議を実施し、ITの「影」を伝える授業では、模擬掲示板への匿名書込みができないことを実体験させ、ITマナーの重要性を考える機会を提供した。
日立ビジネスソリューションでは、今後も地域の中学校を中心に出前授業を実施していく予定。
Point!
本取組は、未来のIT社会を担う次世代に対し、ITの利便性と弊害の双方を伝えることで、IT社会の更なる発展を志向するものです。
ITの急速な普及の一方で、ネット掲示板での誹謗中傷・ネット犯罪など、IT利用にかかるモラルハザードが表面化し、社会問題となっています。利便性だけでなく、こうした「影」の側面もあえて伝えている点が特徴的です。
<CSR>
経済産業省がソーシャルビジネスの創出促進事業を始める
(関連情報:2011年1月31日 日刊工業新聞、経産省ホームページ)
経済産業省が、ソーシャルビジネスの創出促進事業を開始する。同省ではソーシャルビジネスに関する経営ノウハウや担い手が不足しているという課題に対応するため、2007年度より補助事業を実施してきたが、2011年度からは企業との連携・協働促進をテーマにした新たな補助事業を開始するという。
具体的には費用補助形式での公募を行い、ソーシャルビジネス事業者と営利企業との連携による新事業創出支援や、両者を仲介する中間支援機関の設立支援、成功事例の展開支援を図るとしている。
Point!
ソーシャルビジネスとは、社会的な課題を行政の支援や無償の奉仕活動だけに頼るのではなく、ビジネス手法を通じて課題解決と収益を同時に目指す活動のことをいいます。無償の活動と異なり、収益をあげることで、より安定的かつ持続的に活動することが可能となります。
海外トピックス2011年1月に公開された海外のCSR等に関する主な動向をご紹介、コメントします。
米運用会社が、人権問題への取組不十分を理由に大手IT株式を投資先から除外
(関連情報:ボストン・コモン・アセットマネジメントおよび大手ITメーカーのプレスリリース等)
社会的責任投資(SRI)投信等を運用するボストン・コモン・アセットマネジメント(米国マサチューセッツ州)は1月11日、米国の大手ITネットワーク機器メーカーについて、人権保護に対する姿勢が十分ではないとして、同社の株式を投資先から除外すると発表した。ボストン社は200万株(メーカーの発行済株式総数の0.03%程度)を保有する。
ボストン社の発表によると、直近のメーカーの株主総会で中国での人権取組に関するステークホルダーとの対話機会を設けるよう要請した株主提案をボストン社主導で実施。株主の33%が賛成したが否決された。その後も、メーカーの取締役に同様の要請を記した手紙を送ったが回答がなかったため、「事業展開における人権配慮の実態が不透明かつ説明責任も不十分」と判断したという。一方、メーカー側はボストン社の要請に対して、「世界各地の状況に則して人権課題にも適切に対応している」と反論している。
温暖化ガス抑制努力がコスト削減につながった企業の事例が増加
(関連情報:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト HP https://www.cdproject.net/CDPResults/CDP-2011-Supply-Chain-Report.pdf)
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト( CDP)が 1月 26日に公表したサプライチェーンマネジメントに関する報告書によると、原材料調達先等の協力会社と連携した地球温暖化ガスの抑制取組を実施した結果、本業のコスト削減効果を得た企業が増えていることが分かった。
同報告書は、米国の大手経営コンサルティング会社 A.T.カーニーが、世界の主要企業 57社とその協力会社 1000社を対象にした調査を元にまとめたもの。
それによると、主要企業の 50%と協力会社の 25%が、温暖化ガス削減取組によってコスト削減効果があったと回答。また、サプライチェーンで連携した取組でコスト削減効果があったとする企業が全体の 86%となり、 2009年度調査時( 46%)からほぼ倍増した。
例えば、米国の食品大手ペプシコでは、自社と共通のエネルギー使用に関するアセスメントツールを協力会社に提供し、活用を促した結果、飲料工場での製造単位当たりのエネルギー消費量 16%カットを実現。総計 6000万米ドル(約 50億円)のコスト削減に成功したと報告されている。
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