2022年度 No.5「今考える「勤務間インターバル制度」の導入と活用」
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2023.3.1
要旨
- 勤務間インターバル制度は、働き方改革関連法(2018年成立)に伴う法改正で努力義務とされたが、国内企業での導入率は低く、企業の多くがその必要性を感じていない。
- 一方、直近では、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」に記載され、自民党より推進に向けた緊急提言が行われるなど、普及・拡大に向けた動きが加速している。
- 制度導入のメリットとして、労働時間の削減だけでなく、従業員のワーク・ライフ・バランスの確保や休養(睡眠)時間の確保が挙げられる。
- 制度の効果的な活用にあたっては、①他の施策と同時展開、②外部発信によるセルフブランディングを企図し進めていくのが望ましい。
1. 勤務間インターバル制度をめぐる動き
(1) 勤務間インターバル制度の導入状況
勤務間インターバル制度は、終業時刻から次の始業時刻の間に、一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を設ける仕組みである。(図1)。2018年に成立した働き方改革関連法において、労働時間等設定改善法の改正により、事業主の努力義務となった。
しかし、国内の導入率は芳しくなく、厚生労働省の令和4年就労条件総合調査によると5.8%となっている。また、「導入予定はなく、検討もしていない」が80.4%であった。「導入予定はなく、検討もしていない」と回答した企業へ理由を聞いたところ、「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じない」が53.5%と多数を占めた。
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