2017年4月、5月にバンコクで発生した爆弾事件【インターリスクタイレポート 2017年度 No.1】
2017.6.1
1. 状況
2017年4月から5月にかけてバンコクで3件の爆発事件と1件の爆発未遂事件が発生しました。以下にこれら事件の概要をまとめます。
(1) Old Government Lottery Officeでの爆発
2017年4月5日、バンコクのRatchadamnern Avenueに位置するOld Government Lottery Officeで爆発が発生し、清掃員2名が軽傷を負いました。爆弾は入り口近くのゴミ箱に仕掛けられており、警察の捜査により現場から金属の破片と電気回路が発見されたことから、時限型の小型パイプ爆弾が用いられたものと見られています。
(2) National Theaterでの爆発
2017年5月15日、Sanam LuangのNational Theaterで爆発が発生しました。現場からは時限型パイプ爆弾の材料として一般的に用いられる塩素酸カリウム、電子回路、PVCパイプが発見されています。警察によれば、4月5日に発生した爆発と同じタイプの小型爆弾が使用された可能性が高く、この爆発で通行人2名が軽傷を負っています。なお、爆弾はNational Theaterの前に設置されているゴミ箱に仕掛けられていました。
(3) Phramongkutklao病院での爆発
2017年5月22日、バンコク中心部のPhramongkutklao病院で爆発があり、24人が負傷しました。同病院は戦勝記念塔の近くに位置しており、BTS(高架鉄道)やバスなどの駅が集中している地域です。
Phramongkutklao病院はタイ王国陸軍が運営しており、兵士だけでなく一般の市民や外国人も利用しています。警察の発表によれば、現場でバッテリーとワイヤーの痕跡が発見されたことから爆発はテロリストの犯行であることが示唆されており、犯人は病院の入り口近くに爆弾を仕掛けたものと見られます。
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