レポート/資料

ESGリスクトピックス 2022年度 No.11

2023.2.1

<自然資本>
COP15が閉幕、「30by30」など生物多様性対策の停滞脱却に向けた新目標を採択

12月7日からカナダ・モントリオールで開催されていた国連の生物多様性条約締約国会議(COP15)が19日、2030年までの目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組み(Kunming-Montreal Globalbiodiversityframework)」を採択し、翌20日に閉幕した。新たな目標では海や陸の保護区域拡大を直ちに開始し30年までに完了することを求める行動志向の世界的なターゲットが策定された。先代の「愛知目標」がほとんどの項目で未達に終わったのを受けて、生物多様性対策は取り組みの停滞状況からの脱却が急務との認識が共有された格好だ。

(参考情報:2022年11月22日付外務省HP、2022年12月22日付環境省HP

<自然資本>
投資家グループ、「NatureAction100」の発足を発表

2022年12月11日、欧州の気候変動に関する機関投資家グループであるIIGCC*と米国のESG投資推進NGOであるCeres**は、自然・生物多様性分野の集団的エンゲージメントを行う投資家イニシアチブNatureAction100(NA100)を発足させると発表した。本発表は国連の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において行われた。今後、本イニシアチブは加盟機関を募り、2023年春に正式発足する予定である。

(参考情報:2022年12月11日付Nature Action 100 HP

<サステナビリティ>
バッテリーパスポート、求められる人権関連指標を公表

産業用や電気自動車(EV)などに使用する電池の製造・流通過程で、児童労働や人権侵害などの防止策等が講じられていることを確認するための評価指標が12月8日、公表された。世界の電池メーカーや国際機関・政府などが参加するイニシアチブであるグローバル・バッテリー・アライアンス(GBA)が作成した。この基準はEUが改定電池規則で導入予定の「バッテリーパスポート」に適用される予定。

(参考情報:2022年12月8日付HP

<コンプライアンス・人権>
障害者差別解消法に基づく基本方針の改定案について意見募集

内閣府は2022年12月15日、障害者差別解消法において国や地方公共団体、事業者に求める障害者への「不当な差別的取扱い」*や「合理的配慮」**の具体例などを盛り込んだ「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針改定案」***に対するパブリックコメントを開始した。今後集まった意見を踏まえて、本改定案について閣議決定される。

同法では、事業者においては障害者への「不当な差別的取扱い」は禁止されているが、2021年5月の改正で、これまで努力義務とされていた障害者への「合理的配慮」が法的義務とされた。

(参考情報:2022年12月15日付内閣府HP

<情報開示>
企業情報の開示、当面は、四半期決算短信を一律義務付け。任意化については継続的に検討

金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループは、2022年6月の報告において検討事項とされた四半期開示とサステナビリティ開示について、審議結果を取りまとめた。

1.四半期開示

四半期開示については、コスト削減や開示の効率化の観点から金融商品取引法上の四半期開示義務(第1・第3四半期)を廃止し、取引所規則に基づく四半期決算短信に「一本化」する方向性を示した。

(参考情報:2022年12月27日付金融庁HP

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