レポート/資料

ESGリスクトピックス(2019年8月)

2019.8.1

今月の主なトピックス

Environmental-環境-

<サーキュラーエコノミー>
コカ・コーラおよびセブン&アイが世界初の完全循環型ペットボトルリサイクルを実現

日本コカ・コーラ株式会社および株式会社セブン&アイ・ホールディングスは、6月10日より、共同企画商品「一(はじめ)緑茶一日一本」をリニューアルし、セブン&アイグループの店頭で回収したペットボトルをリサイクルした完全循環型ペットボトルをパッケージに使用することを発表した。全国のセブン&アイグループ約21,400店で順次販売する。

特定の流通グループの店頭で回収したペットボトルを100%使用したリサイクルペットボトルを原材料とし、再び同一の流通グループで商品として販売する取り組みは、世界で初めてとされる。

(参考情報:2019年6月5日付 日本コカ・コーラ HP

<気候変動>
政府がパリ協定長期成長戦略を閣議決定

政府は6月11日、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を閣議決定した。同戦略は政府が掲げている「2050年までに温室効果ガス80%削減」というビジョンを達成するために必要な対策、施策、技術開発の方向性を示したものである。パリ協定では、全締約国が2020年までに長期低排出発展戦略を国連に提出することと定めており、政府は6月26日に同戦略を国連へ提出した。

(参考情報:2019年6月11日付 環境省 HP

<サステナビリティ>
欧州委員会TEGが持続可能な経済活動のためのタクソノミーを発表

欧州委員会のサステナブルファイナンスに関する技術専門家グループ(TEG)は6月18日、環境面における持続可能な経済活動を定義した「タクソノミー」に関する報告書を発表した。タクソノミーは、運用機関や保険会社等の投資家がサステナビリティに貢献する活動に投資する際にどのような事業が該当するかを定義づけする実践的なガイダンスとなる。また同日、欧州委員会は企業の気候変動関連情報の開示に関するガイドラインを発表している。欧州連合(EU)は気候変動や持続可能な開発目標SDGs)の実現に貢献できる金融システムの実現を目指しており、これらはその実現に向けた施策の一環となるもの。

(参考情報:2019年6月18日付 EC HP

<気候変動>
イギリス政府が2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする法案を可決

イギリス政府は6月26日、2008年の気候変動法(Climate Change Act)を改正し、2050年までに同国の温室効果ガス排出を実質ゼロとする目標を法制化した。従来の同法では、2050年までに温室効果ガスを1990年比80%削減する目標が定められており、同国の独立諮問機関である気候変動委員会が、政府に対して目標引き上げを求める提言を5月に行っていた。温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す目標の法制化は、G7諸国で初めてである。

(参考情報:2019年年6月27日付 イギリス政府 HPほか)

Social-社会-

<人権>
BHRRCがマグロ缶詰製品のサプライチェーンにおける人権侵害に関する報告書を公表

ビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)は6月3日、太平洋のマグロ漁業及びサプライチェーンにおける人権侵害に対する企業の取組についての調査報告書を公表した。調査対象は大手缶詰ブランドを保有するメーカー・小売業35社。回答した企業すべてが現代奴隷制への対応を含めて人権尊重に対するコミットメントを行っている一方、多くの企業では、サプライチェーン全体に対する人権デューデリジェンスの未実施等、人権保護方針を実現するための具体的な取組が不十分であると指摘した。

(参考情報:2019年6月3日付 BHRRC HP

<ハラスメント>
国際労働機関(ILO)が職場での暴力やハラスメントを禁止する初の国際条約を採択

国際労働機関(ILO)は6月20日、職場での暴力やハラスメントを全面的に禁止する初の国際条約を採択した。あらゆる労働者の保護を目指し、研修中の従業員やインターン、退職者、ボランティア、求職者なども対象としている。発生場所も職場内に限らず、休憩・出張・研修や行事・社交活動のほか、メールやインターネットを介した嫌がらせなどにも適用される。雇用主には被害防止のため職場での適切な措置、政府には法律の施行や被害者の救済支援をそれぞれ求めている。2カ国以上が批准後、1年を経て発効する。批准国は条約に沿った国内法の整備などが必要となる。

(参考情報:2019年6月22日付 ILO HP

Governance-ガバナンス-

<ガバナンス>
スポーツ庁が中央競技団体のガバナンスコードを公表、理事の年齢制限など盛り込む

スポーツ庁は6月10日、中央競技団体を対象にした「スポーツ団体ガバナンスコード」を公表した。
理事の「就任・再任時の年齢」や「再任回数」の制限や役職員・選手・指導者へのコンプライアンス教育の実施、危機・不祥事発生時の対応体制の強化などに関する原則を盛り込んだ。昨今スポーツ界で相次いだ不祥事を踏まえ、競技団体のガバナンス確保とコンプライアンス意識の徹底を目的としている。

(参考情報:2019年6月10日付 同庁 HP

<ガバナンス>
経済産業省が「海外M&Aを経営に活用する9つの行動・別冊編」を公表

経済産業省は6月17日、日本企業の海外M&Aにおける課題や留意点、事例をまとめた「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」(平成29年度)を基に、内容を具体化・明確化した「別冊編」を公表した。同冊子では特にCFO、法務担当役員、社外取締役に焦点を当て、海外M&Aにおいて真のオーナーシップマインドを持つこと、企業価値向上に向けて経営全体を俯瞰した行動をとることに期待すると言及。具体的に期待される役割として、法務担当役員には「グローバル規模でのリスクマネジメント体制の整備」、社外取締役には「買収先のリスクマネジメントの実施」等、リスクの精査や対策検討を含む行動を例示した。加えて有識者、経験者からのヒアリングに基づく事例を掲載することで、各役職者が必要な取り組みを考え、実践する契機となることを目指している。

(参考情報:2019年6月17日付 経済産業省 HP

<ガバナンス>
経済産業省、子会社管理の実効性確保に向けた指針を公表

経済産業省は6月28日、上場企業に求められる実効的な子会社管理の実現などを目的にした「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」を公表した。グループガバナンスの考え方や課題、グループ本社の役割などを示すとともに、国内外の企業における好取組例を紹介している。国内上場企業の子会社による不祥事の多発等を受けて、グループ全体のガバナンス強化とリスクマネジメント体制構築の普及がねらい。同指針は、東京証券取引所が単体の企業経営を念頭に2015年6月に制定した「コーポレートガバナンス・コード」を補完する目的もある。

(参考情報:2019年6月28日付 経済産業省 HP

全般・その他

<ESG投資>
経済産業省が日本企業へのESG投資呼び込み策を提言

経済産業省は6月28日、日本企業へのESG投資をより多く呼び込むための方策をまとめた「SDGs経営/ESG投資研究会報告書」を公表した。「SDGs経営の先進的取り組みの積極的な開示」や「ESG投資を推進するための投資環境整備」など、政府や企業、各ステークホルダーが一体となって取り組むべき6項目の課題と解決策を盛り込んだ。

(参考情報:2019年6月28日付 経済産業省 HP

今月の『注目』トピックス

<人権>
職場の「いじめ・嫌がらせ」の相談が過去最多の8万2000件、16年連続の増加

(参考情報:2019年6月26日付 厚生労働省 HP)

2018年度中に全国の労働局などに寄せられた職場でのハラスメント(「いじめ・嫌がらせ」)の相談が、過去最高の8万2797件(前年比14・9%増)だったことが、6月26日に厚生労働省が発表した「個別労働紛争解決制度の施行状況」で分かった。前年からの増加は16年連続。

それによると、内容別で「いじめ・嫌がらせ」は7年連続のトップ。

昨今のハラスメントへの社会的関心の一層の高まりなどが背景に考えられる。今年5月には職場のハラスメント対策強化を柱とした女性活躍・ハラスメント規制法が成立した。

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