2015年度 No.2「企業における火山の噴火降灰対策について」
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2015.9.1
1. はじめに
近年、国内の活火山においては、火山現象に関する警報等の発表や噴火警戒レベルの引き上げ報道が続いており(表1)、各企業の火山噴火リスクに対する関心は高まっているが、企業においては、人命安全の危機に直結する事象(溶岩流・火砕流・噴石等)が発生するリスクが高い拠点(事業所)がほとんどないため、噴火対策を十分講じている企業はまだまだ少ない。一方、大規模な噴火が発生した場合には、上記人命安全に直結する事象の他に、広範囲に渡って「降灰」も発生することが想定されるが、この「降灰」により多くの拠点(事業所)の事業活動に支障がでる可能性があることは案外知られていない。例えば、富士山が噴火した場合、首都圏でもその降灰量は10cm以上にもなり、交通網が混乱して数週間に渡って従業員が出勤できない状況になると言われている。本稿では、火山の噴火によるリスクの中でもかかる「降灰」リスクに着目して、企業が講じるべき対策のポイントを解説する。
2. 降灰リスクの把握
降灰対策の検討は、まず、自社の拠点が降灰リスクに晒されているか否かを把握するところからスタートする。
自社拠点における降灰リスクは、自治体等が公表しているハザードマップを確認することで把握できる。国内火山におけるハザードマップは表2の通りであるが、全ての火山に対してハザードマップが整備されているわけでは無い点に留意が必要である。
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