BCMを支えるIT即応能力の最適化【BCMニュース(2011年3月)】
2011.3.1
今年の3月1日付けで、ISOから新しい規格「ISO/IEC 27031」が発行された(1)。これは情報セキュリティの範疇で策定された規格ではあるが、事業継続に求められるITシステムの対応能力を取り扱うもので、BCMとの関連が非常に高いガイドラインとなっている。 本稿ではこの規格の概要を紹介した上で、BCMとともにITシステムの対応能力の最適化に取り組む意義について、あらためて問題提起したい。
ISO/IEC 27031の概要
この規格の正式な名称は「ISO/IEC 27031 Information technology -- Security techniques -- Guidelines for information and communication technology readiness for business continuity」(事業継続のための情報通信技術の即応能力に関するガイドライン)である。タイトルから分かるように、この規格はあくまでもガイドラインであり、外部機関による審査に用いられるものではない。
規格本文の中では、タイトルにある「information and communication technology readiness for business continuity」を略して「IRBC」と表記している。これは従来あまり使われていなかった用語であり、この規格の開発によって生まれた用語だと思われる。つまり事業の一部(もしくは大部分)がITに依存しているという状況において、ITシステムがその組織の事業継続のために求められるレベルの対応能力を備えているかどうか、という観点である。ここでいう「対応能力」とは、事故や災害に見舞われてもITシステムがその機能を維持するか、もしくは短期間のうちに再開・復旧する能力を指す。これ以降、本文中ではこれを「IT即応能力」と呼ぶ。また「ITシステム」には単にハードウェアやソフトウェア、通信ネットワークだけでなく、これらを運用するために必要な人員および運用業務等が含まれる。
規格の構成は図1のようになっており、IRBCを組織にとって適切な状態に保つために、どのような取り組みをすべきかが記述されている。
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