レポート/資料

忍び寄るサイバー攻撃、狙われる個人と企業【情報セキュリティニュース(2011年12月)】

2011.12.1

近年、海外では、企業のネットワークに対する攻撃だけでなく、一国の経済と国民生活が麻痺する事態につながりかねないサイバー攻撃が次々と発生している。

日本においても、今春以降、大手電機メーカーや総合機械メーカーをはじめとする名だたる企業や、総務省、地方自治体、衆参両議院などをターゲットにしたサイバー攻撃が続いている。

コンピュータウイルスを用いたサイバー攻撃は従来からあったものの、どちらかというと愉快犯であったり、また不特定多数を対象とするものが多かった。しかし、数年前から、特定の個人や企業の知的財産・重要情報を窃取することや、組織の活動を妨害することを主たる目的とする、プロの犯罪者による「標的型サイバー攻撃」と呼ばれる攻撃が増加している。

「標的型サイバー攻撃」が従来の「サイバー攻撃」と大きく異なるのは、標的者が確実にウイルスに感染するよう巧妙な手口を用いるうえ、「ゼロデイ攻撃(修正プログラム提供前の脆弱性を悪用してウイルス感染させる攻撃)」等を利用するなど、一度標的にされると、情報流出を引き起こすウイルスの感染を防ぐことが非常に困難になる点である。また、ウイルスに感染した後もそのことに気づかせない手法が用いられているため、長期間にわたって企業の主力製品等の機密文書を盗み出され、それを悪用されることによる競争力の低下、果ては企業の存続の危機などに直結する事態が発生しかねない。

本稿では、標的型サイバー攻撃の手法ならびに、その対応策について紹介する。

1. 標的型サイバー攻撃の現状

今年7月に衆議院へのサイバー攻撃が行われた。この事件では、議員用端末のユーザーが、攻撃者から送信された「標的型攻撃メール」の添付ファイルを開いたことから端末がウイルスに感染し、その端末から衆議院のネットワーク内にウイルス感染が拡大したことにより、約1ヶ月半の間、多くの情報が流出したと見られている。

ここでは、本件に関する報道や衆議院の議院運営委員会庶務小委員会での報告内容に基づき、このサイバー攻撃の概要を時系列で振り返るとともに、標的型攻撃メールによる攻撃方法について解説する。

全文はPDFでご覧いただけます