「医療機関における業務継続計画(BCP)策定の要点」
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2022.2.1
要旨
- 医療機関において災害時に患者や職員を守り、診療を続けるためには、災害拠点病院だけではなく、一般の病院についてもBCP策定が必要不可欠といえる。
- BCP策定にあたっては、体系的に文書を整えるだけではなく、役職員が定められた計画どおりに実行できるか検証することが重要である。
1.BCP策定の目的
(1)BCPとは
業務継続計画は英語でBusiness Continuity Planと訳され、頭文字を取ってBCPと称される。BCPの定義は出典によって相違はあるものの、概ね以下のとおりとなる。
「大災害や事故などの被害を受けても重要業務が中断しないこと、若しくは中断したとしても可能な限り短い期間で再開することが出来るよう、事業の継続に主眼をおいた計画」 特に医療機関においては、たとえ災害が発生したとしても、なるべく自立した運営を可能とし、災害時医療を少しでも支える力を持つことが必要とされている。
(2)BCP策定の目的
限られたリソース(ヒト・モノ・環境)の中で、安否確認や災害対策本部の立ち上げなど普段と異なる作業を行いつつ、通常診療に戻るための復旧対応を行い、さらには状況に応じて地域の災害時医療に貢献することは、 事前の準備がなければ実現できるものではない。これらを平時から準備、計画することで、被災によって減少する操業度を少しでも緩和させ、元の操業度に戻す負担や時間を減らすことがBCPを策定する目的となる。
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