
2019年度 No.1「冷凍・冷蔵倉庫の事故事例と対策」
2019.1.1
要旨
- 天井や間仕切り壁にサンドイッチパネルが使用されている場合、火災が急激に拡大します。
- アンモニアやフロンなど、冷媒ガスの漏洩による中毒、酸欠事故が過去に発生しています。
一般倉庫の火災リスクと対策については、「災害リスク情報<第74号> :倉庫における火災リスクと対策(2017.3.1 株式会社インターリスク総研)」をご参照ください。
1. 冷凍・冷蔵倉庫の火災リスク
(1) 火災リスクの特徴*1
冷凍・冷蔵倉庫の火災は、天井、内壁、間仕切り壁等の建材に使用されている断熱材によって火災が急激に拡大するのが最大の特徴です。
これらの建材として多く用いられるのは、ウレタン樹脂やスチロール樹脂等の断熱材を鋼板で挟んだサンドイッチパネル(右図参照)です。サンドイッチパネルは優れた断熱性能と経済性、施工の容易性から広く普及していますが、火災が発生した場合、断熱材として用いられている合成樹脂から生じる可燃性ガスにより、延焼が急激に拡大する傾向があります。
(2) 火災事故事例
以下に、可燃性合成樹脂を用いた建設資材によって大きな被害が生じた日本および韓国の火災事例を紹介します。
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