レポート/資料

プラグ、コンセント等の電気用品を原因とする電気火災の事例とその防止対策について【災害リスク情報 第41号】

2011.11.1

はじめに

最近の火災事故の原因を見ると電気火災の割合が増加してきている。これは、パソコン及び周辺機器の普及、家庭用映像・音響機器の普及等多種の電気製品が使用されることが多くなったことがその要因の1つであると推測する。火災の発生源としては、電気機器自体だけではなく、電気機器を使用するために利用されるコンセント、プラグ、延長コードなどの電気用品も多数を占めている。電気機器では、製品自体の欠陥や操作の誤りによるものも多いが、電気用品では使用方法に問題がある場合が多い。事業所は住宅と比べ建物も大きく、工場では危険物などもあり、火災による被害が大きくなる場合が多く、さらに事業の中断による利益の喪失など、事業所での火災の損害は大きくなる可能性がある。

本稿では、オフィス、工場、また一般家庭でも共通して使用されており、取り扱いが簡単で誰でも使用するにもかかわらず、取り扱いの不注意で火災の発生原因となりやすいこれらの電気用品を取り上げ、その危険を考察する。

1. 電気火災の現状

(1) 件数

東京消防庁の統計によると、2011年上半期(1月~6月)の電気火災が火災件数に占める割合は20%である。上半期は寒冷期が含まれるため電気ストーブ、コタツなどの使用が多いこともあるが、割合としては看過できないものとなっている(図1参照)。

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