富士山の噴火BCPを考える【BCMニュース 2012年 第5号】
2012.8.1
1. はじめに
東日本大震災以降、富士山周辺の自治体では富士山の噴火対策が進んでいる。例えば、静岡県で現在策定中の第4次地震被害想定では東海・東南海・南海の三連動地震と連動した富士山の噴火についても対策に盛り込むことが検討されている。また、神奈川県・山梨県・静岡県の3県では合同で、富士山が噴火した場合の広域避難計画を平成24年内に策定し、平成26年までには避難計画を実施することで進行中である。
一方、企業においても、自治体と同様に富士山の噴火対策は必要と考えられるが、かかる対策を特に事業継続(BCP)の観点から整理している企業はまだまだ少ないのが現状である。
そこで、本稿では企業における富士山の噴火リスクを想定したBCP(以下「噴火BCP」と言う)を策定する上でのポイントについて考察する。
2. 富士山の噴火危険性
まずは、富士山の噴火BCPのポイントを考察する前に富士山の噴火危険性について概説する。
① 富士山の噴火危険性の分類
文部科学省科学技術・学術審議会測地学分科会では、日本の108ある活火山の内、特に危険性の高い13の活火山を「活動的で特に重点的に観測研究を行うべき火山」とし、次いで危険性の高い24の活火山を「活動的火山及び潜在的爆発活力を有する火山(図1の下線)」として指定している。
富士山は、「活動的火山及び潜在的爆発活力を有する火山」として分類されており、直ちに噴火の危険性があるわけではないものの、危険性の高い活火山として指定されている。
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